2022年5月17日
米国土安全保障省 (DHS) は5月16日、メキシコのティフアナと米国側オータイメサ工業地区の倉庫を結ぶ、国境越えの麻薬密輸トンネルを発見したと発表。
これはサッカー場6面分の広さを持つ洗練された地下トンネルで、長さは1/3マイル (532メートル)、直径4フィート (1.2メートル)、深さは建物6階分ほどある。米墨国境ラインで最も要塞化された地下道であり、レール、換気システム、電気、強化壁も完備している。
最新のトンネルはサンディエゴのオータイメサ国境近くに存在する。
ティフアナ~オータイメサは、過去20年間に12以上の高度なトンネルが発見された地域として知られる。
米当局は、この「秘密の通路」がいつから稼働していたのか、また、これまで密輸された麻薬の量についても不明としている。
今回のトンネル発見に関連して1,762ポンド (799キロ) のコカイン、165ポンド (75キロ) のメタンフェタミン (メス)、3.5ポンド (1.6キロ) のヘロインが押収され、31歳から55歳の6人がコカイン流通の共謀罪容疑で起訴されている。
全員が南カリフォルニア在住者。
ヘロイン、メタンフェタミン、フェンタニルなどの中毒性の高い違法薬物 (ハードドラッグ) は、サイズが小さく無臭で発見が難しいため、通常、メキシコ側から “正式な国境越え” で密輸されている。
一方、トンネルには密輸業者にとって、大量の荷物を光速で運搬できる利点がある。
2019年にカリフォルニア州が娯楽用大麻を合法化したことで、押収される薬物の種類にも変化が現れているという。
取締当局は2006年以降、カリフォルニアとメキシコの国境で機能性の高い約15の密輸トンネルを発見している。
*写真はイメージ
(2022年6月1日号掲載)