2020年10月19日
11月の大統領選に向け、郵便投票用紙の発送が全米で進んでいる。
有権者は用紙を受け取り次第、投票が可能になる。
AP通信によると、新型コロナウイルス感染への懸念から郵便投票用紙の申請件数は急増。
これまでの選挙では共和党支持者の利用が多かったが、今回は民主党支持者や無党派の申請が増えている。
SD郡では10月5日より、登録有権者約190万人に向けて郵便投票用紙の送付を開始。
SD郡選挙管理事務所は10月15日現在、約312,000通の投票を受理したと発表した。
受理投票の10%強に当たる32,448票が初めて郵便投票を利用した有権者によるものという。
SD郡は10月19日が有権者登録の受付期限。
多くの有権者が投票の意義を強調する一方、郵便投票への不安の声も出ている。
自身に不利に働くとみているとされるトランプ氏が不正や失敗がつきものだとする主張が浸透しているとみられ、米国の選挙制度への信頼が揺らぐ事態も浮き彫りになった。
最初にトランプ氏が着手した奇策は、選挙の信用を否定する作戦だった。
コロナ対策で導入が広がる郵便投票を標的に「今回の大統領選挙は歴史上、最も不正に満ちた選挙になる」と言い始めた。
郵送では有権者の本人確認がおろそかになり、二重投票などの不正も起こるとの主張だ。
調査機関ピュー・リサーチ・センターによれば、トランプ氏支持者の60%が投票所での投票を好み、郵便投票したいと答えたのは17%。
対照的にバイデン氏支持者は23%が投票所、郵便が58%に上っており、郵送票を葬り去れば勝てるとの認識がトランプ氏にあるようだ。
さらにその後、選挙で敗れた場合「平和的な政権交代」に応じるかどうかを問われ、トランプ氏は「事態を見守る必要がある」と発言。
各地の郵便投票差し止め訴訟が「最高裁まで争われる」と指摘した。
(2020年11月1日号掲載)