2020年11月1日不動産市場の動向を独自のデータにより分析する情報サービス社「コアロジック」の最新統計によると、今年10月第1週におけるサンディエゴ都市圏の住宅中間価格は732,560ドル (約7,650万円) に達し、過去最高を記録した。
全米の平均中間価格は320,625ドル (約3,350万円) だった。
今年8月末時点の全米主要メトロポリタン (都市圏) における住宅価格指数 (S&P・コアロジック・ケース=シラー指数) によると、サンディエゴ都市圏の前年同期比でみる価格上昇率は+7.6%で、全体3位の高さだった。
全米20都市圏の平均年間上昇率は+5.7%。
サンディエゴを凌ぐ上昇率を示した都市圏はフェニックスとシアトル。トップ10は次の通り。
① フェニックス (+9.9%)、② シアトル (+8.5%)、③ サンディエゴ (+7.6%)、④ クリーブランド (+6.9%)、⑤ タンパ (+6.9%)、⑥ ロサンゼルス (+6.8%)、⑦ シャーロット (+6.7%)、⑧ ポートランド (+6.2%)、⑨ ミネアポリス (+5.8%)、⑩ ボストン (+5.7%)。
専門家の分析によると、今年3月から全米を襲った新型コロナウイルスの感染拡大 (パンデミック) で在宅勤務を余儀なくされる人々が急増し、仕事場を兼ねた広めの自宅を求める動きが目立っているという。
だが、サンディエゴ都市圏の住宅事情は、ここ数年、依然として高い需要に追いつかない供給不足が進み、ますます住居購入が難しくなっている。
サンディエゴ都市圏の持ち家率は50%前後に留まっており、全米100都市圏中ワースト5内にある (全米不動産業者協会=NAR=調査)。
米連邦住宅貸付抵当公社「フレディマック」によると、30年モーゲージ (住宅ローン) 固定金利が平均2.875%という歴史的な低率を維持しており (10月中旬)、これも不動産市場を活性化させている要因の一つとみている。
カリフォルニア不動産協会 (C.A.R) が発表した「2021年 CA州住宅市場 動向予測」では、消費者の「持ち家購買欲」を刺激するモーゲージ低率が来年も続く見通しで、特に「ミレニアル世代」 (20代~40代前半) の “初買い” が促されると指摘。
来年のCA州全体の住宅中間価格は穏やかながらも+1.3%程度上昇すると想定している。
(2020年11月16日号掲載)