2022年7月20日
不動産市場の動向を独自のデータにより分析する情報サービス社「コアロジック」の最新統計 (DQニュース) によると、今年6月におけるサンディエゴ郡の再販住宅中間価格は前月比2.9%減の825,000ドル (約1億1,400万円) だった。過去最高を記録した4月統計の約100万ドル (約1億3,800万円) と比較すれば価格高騰に翳 (かげ) りが見え始め、高止まり感も出てきた。
サンディエゴ郡では、今年になって初めて住宅価格が下落。
この背景には、去る6月15日、連邦準備制度理事会 (FRB) が歯止めの利かない物価高の抑制への金融引き締めを一層加速し、1994年11月以来27年7か月ぶりに、通常の3倍という異例の上げ幅で、主要政策金利の誘導目標を1.5 ~1.75%とした連邦公開市場委員会 (FOMC) の決定が大きく影響している。
不動産市場もFRBの動きを予測し、発表の数か月前から、モーゲージの金利上昇に加え、価格急騰と在庫不足と相まって、買い手の多くが住宅購入の計画を停止、または一時的に手控える傾向が現れていた。
とはいえ、昨年と比べてもサンディエゴの住宅は依然として高価。
SD地区の住宅事情は高い需要に追いつかない供給不足が続いている。
当地に集まるIT/バイオ関連企業の技術者/研究者や投機目的の資産家が潜在的な買い手となっている。
専門家の多くが、今後も住宅市場の需要と供給のバランスにインパクトを与え続けると予想している。
(2022年8月1日号掲載)