February 23, 2026

最高裁「トランプ関税」違憲判断 政権は法的根拠を差替え 世界一律15%課税

2/23/2026

▪️IEEPAに歯止め → Section 122 で反転返金通関も不透明 焦点は GDP 減速とAI 決算
米連邦最高裁は2月20日、国際緊急経済権限法 (IEEPA) を根拠にしたトランプ大統領の「相互 (reciprocal) 関税」の大部分を違法 (違憲) として退けた。判決は大統領による広範な関税発動に制限をかける一方、関税そのものが消えるわけではないというのが市場と企業に残った現実だ。

ところが、トランプ氏は判決後、別法 (1974年通商法 Section 122) を用いて世界一律10%の関税を課すと表明し、翌日には15%へ引き上げた。法的根拠を差し替える動きが、先行き不透明感をむしろ増幅させたとの見方が広がる。

実務面でも混乱は続く。違法判断の対象となった関税について、通関システムの更新や返金手続きがすぐに整うとは限らず、輸入企業の負担や精算は「厄介な作業」になり得るという論点が浮上している。

貿易相手国は判決を一定程度歓迎しつつも、別の形で関税が復活し得る点を警戒。EUは既存の通商合意の順守を米国に求め、各国企業にとって状況が“読みにくい”ままだと示唆した。 インドは影響を見極めるため対米貿易協議の日程を遅らせたと報じられ、地政学・通商交渉にも波及している。

金融市場はひとまず判決を好感し、米株は上昇。関税圧力が相対的に減少するとの受け止めから、海外調達比率の高い企業に買いが入った場面もあった。 但し、同週には2025年10〜12月期 (第4四半期) の米国GDPが年率+1.4%に留まり、景気減速も意識された。

最大の注目点は、AI関連の先行指標になり得る エヌビディア (NVIDIA) の決算。支出動向だけでなく、AIが実際にどのサービスを 補完 し、どこを置き換えつつあるのかが焦点となる。加えて、近年相場を牽引してきた「マグニフィセント・セブン」取引が曲がり角に来たのかに注目。投資家の視線は再び大型ハイテク株の成否に集まっている。

*マグニフィセント・セブン (M7):市場への圧倒的影響力を持つ アルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディア の米国株7社。