August 21, 2025

COVID 新変異株「XFG (ストレイタス)」 嗄声 (声のかすれ) で判別、カリフォルニア感染増の恐れ

8/8/2025

米疾病対策センター (CDC) が公表したデータによると、新型コロナウイルスの変異株「XFG」(通称:Stratus =ストレイタス)」が今夏、全米で3番目に優勢な系統となり、カリフォルニア州の感染再拡大を主導している。XFG は他のオミクロン派生株と症状・重症度はほぼ同等とみられるが、これまで報告例のない「嗄声 (させい=声のかすれ)」が特徴的症状として浮上している点が注目される。


▪️流行状況と拡大スピード
    •    XFG は6月下旬時点で全米感染の14%に達した。1月に東南アジアで初確認され、5月に米国の監視網に登場した際は検出率 1%未満だったが、わずか2か月で急拡大している。
    •    世界保健機関 (WHO) は6月、同株を 「注目すべき変異株 (Variant Under Monitoring)」 に指定。
    •    CDC の予測モデル (7月29日版) では、カリフォルニアを含む40州で感染が「拡大中または拡大見込み」とされ、特に、南部・中東部・北東部・中西部で伝播率が高い。


▪️カリフォルニア州の指標
    •    州内75か所の下水疫学調査のウイルス量は「高水準」(7月12日週統計)。
    •    救急外来のCOVID関連受診は7月31日までの7日間で全体の1.03%と依然低位ながら増加傾向。
    •    CDC は依然「全国的には下水中ウイルス活性は低い」とする一方、10州以上で「高水準〜非常に高い」と警告。


▪️症状と免疫回避
    •    共通症状:発熱/悪寒、咳、息切れ、咽頭痛、鼻づまり・鼻水、味覚嗅覚障害、倦怠感、筋肉痛、頭痛、吐き気・下痢など。
    •    ストレイタス特有の指標が「嗄声」で、医療現場では早期鑑別の手掛かりとして注視されている。
    •    専門家は「XFG は先行株より免疫回避能力が高い可能性」と指摘。但し 、ワクチンは依然として「重症化・入院・死亡を抑制」する効果が期待できるとしている。


▪️公衆衛生上の示唆
    •    防疫政策転換に伴う検査・報告体制の簡素化で、実態把握が困難になりつつあるが、下水・救急外来・モデル解析の3指標で増勢を確認した。
    •    今秋以降、感染流行の “下支え役” として XFG が主流化する可能性がある。
    •    CDCはワクチン接種・追加接種の継続、屋内換気、症状時の迅速検査を推奨し、特に嗄声を伴う上気道症状を感じた場合は早期隔離と医療機関への相談を呼びかけている。


総じて、XFG (ストレイタス) は「声のかすれ」を手がかりにした早期診断が鍵となり得る一方、既存の公衆衛生策とワクチンが重症化防止の要であることに変わりはない。カリフォルニア州をはじめ全米で感染曲線が再び上向く中、変異株の動向と免疫対策のアップデートを注視する必要がある。