11/21/2024
中国の習近平国家主席は11月19日、20か国・地域 (G20) 首脳会議の開催地ブラジル・リオデジャネイロでフランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相と相次ぎ会談した。
スターマー英首相とも前日に会談。
来年1月のトランプ次期米政権発足に伴う混乱に対処するため、欧州への接近を図った。
中南米の首脳とも会談を重ね、米国の裏庭で積極外交を展開した。
習氏はオーストラリアのアルバニージー首相とも会談。
トランプ政権下で米国と同盟国の関係が不安定化すると見透かし、対中包囲網を切り崩す狙いもある。
中国外務省によると習氏はマクロン氏との会談で「国際情勢に新たな変化が起きている」と強調。
両国は地球規模の課題に共に取り組む責任があると訴え、戦略的対話の深化を提唱した。
ショルツ氏との会談で習氏は「中国とドイツは世界第2、第3の経済大国として、長期的観点から強固な関係を堅持すべきだ」と主張し、欧州との協力拡大や関係安定に意欲を表明した。
欧州連合 (EU) が10月末に導入した中国製電気自動車 (EV) への追加関税をめぐり、ドイツが問題解決に役割を果たすことに期待を示した。
習氏はトランプ氏が中国と同様に高関税を課すと名指しするメキシコのシェインバウム大統領とも会談し「国際社会での公平と正義を共に守りたい」と表明した。
さらに、アルゼンチンとボリビアの大統領と個別に会談し、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた経済協力を推進する考えを示した。
習氏はG20閉幕後にブラジルを公式訪問してルラ大統領と首脳会談を実施。
新興・途上国「グローバルサウス」の2大国として結束を呼びかけた。
*Picture: © Samrit Pholjan / shutterstock.com
(2024年12月16日号掲載)