August 24, 2026

全米初 カリフォルニア州が全公立校に喘息の吸入器を無償配布へ

8/20/2026

■州内約1万校が対象 全米で初の取り組み

california capitol asthma collaborative lギャビン・ニューサム州知事は8月20日、州の処方薬プログラム「CalRx」を大幅に拡大し、州内約1万校の公立校とチャータースクールに救急用の喘息 (ぜんそく) 薬を無償で配布すると発表した。州レベルでこうした仕組みを整えるのは全米で初めてとなる。知事は、学校に吸入器がないために子どもが呼吸困難のまま放置されるようなことがあってはならないとの考えを示した。配布は翌週から始まる。

■製薬会社と提携 3年間の無償供給

新制度は「学校アルブテロール・アクセス・イニシアチブ (School Albuterol Access Initiative)」と名付けられ、州は Amneal Pharmaceuticals 社と提携して供給体制を構築する。対象校には、1回噴霧あたり90マイクログラムのアルブテロール定量噴霧式吸入器2本と、使い捨てスペーサー25個が毎年届けられる。無償供給は3年間で、その後も学校は CalRx 価格で継続的に注文できる仕組みが残る。財源は2025〜26年度の州予算から手当てされた。

 

■州内に喘息の子どもは約100万人

州内には喘息を抱える子どもが約100万人いるとされる。症状のある生徒の3人に1人が年間1週間以上学校を欠席しており、喘息は欠席理由の上位を占めてきた。米国小児科学会カリフォルニア支部のエリック・ボール会長は、小児科医であり喘息の子を持つ親でもある立場から、学校で吸入器が必要になった時に手元にない状況の怖さを指摘。予防できるはずの空白が緊急事態に変わることがあってはならないと述べている。

 

■処方箋なしで配備 州保健当局が包括指示書

制度を機能させる鍵となるのが、州公衆衛生局 (CDPH) 局長で州保健官のエリカ・パン医師が署名した州全体の包括指示書 (standing order) だ。これにより、各学校が個別に民間の医師から処方箋を取得する必要がなくなり、CDPH の指示に基づいて製品が直接学校に発送される。事務手続きの煩雑さが制度導入の壁になっていた点を解消する狙いがある。

■学校看護師団体が研修を無償提供

安全な投与を担保するため、CalRx はカリフォルニア州学校看護師協会 (CSNO) と連携し、公立学区向けの研修ガイドラインを無償で提供する。研修内容は、呼吸困難の兆候を見分ける手法、教育現場での緊急使用の手順、そして119番 (911) 通報や保護者への連絡といった事後対応まで含む。8月25日には、州内のTK〜12年生の学校関係者を対象に、制度の概要と申し込み方法を説明する州全体向けのウェビナーが開かれる。

■私立校は割引価格で購入可能

私立校は無償配布の対象外だが、割引価格で購入できる。吸入器は1本9.50ドル (約1,400円) で通常の現金価格から約80%引き、スペーサーは25個入り1パック93.75ドル (約1万4,000円) で約35%引きとなる。研修についても、CSNO会員校は45ドル、非会員校は200ドルで受講できる。なお CalRx は今後2年でエピネフリン注射薬や州ブランドの結核治療薬の展開も予定している。

︎上の画像は AI が生成したイメージです。