10/26/2026
■晴天なのに住宅地が冠水
10月26日(月)朝、サンディエゴのミッション湾周辺で記録的な高潮による冠水が起きた。
満潮とともに、湾の水がまるで浴槽からあふれるように遊歩道や道路に流れ込んだ。
水は市が築いた砂の堤防 (サンドバーム) を越え、住宅地にまで達した。
ミッション・ブールバードにつながる脇道にも海水が流れ込み、庭や家屋の1階まで浸水した住宅もある。
嵐も高波もない中で起きた「晴天冠水」だった。
■原因は暖かい海水の塊「ケルビン波」
原因とされるのが、「ケルビン波 (Kelvin wave)」と呼ばれる現象だ。
接近するエルニーニョ現象に伴い、暖かい海水の巨大な塊が海岸沿いにゆっくりと北上し、海水が膨張して海面を押し上げる。
そこに満月の大潮が重なった。
潮位の上乗せは当初6〜12インチ(約15〜30cm)と予想されていた。
しかし実際には予測より14〜16インチ(約36〜41cm)高く、7フィート(約2.1m)の予測に対し8フィート(約2.4m)を超える潮位が観測されたという。
■ダウンタウンやポイントロマにも影響
影響はミッション湾にとどまらない。
サンディエゴ港湾局 (Port of San Diego) によると、26日と27日には湾岸部でも晴天時の冠水が起き、ウエスト・ハーバー・ドライブの一部が約1時間通行止めになった。
港湾当局は当初、水道管の破裂を疑ったほどだ。
実際には、潮位の上昇で海水が排水管を逆流し、路面にあふれ出していた。
エンバーカデロ周辺やポイントロマ、ダウンタウンでも冠水が確認されている。
■砂の堤防を3倍に拡大
市は27日朝から重機を投入し、破られた砂の堤防を再建するとともに、規模を大幅に広げた。
翌朝の7.1フィート(約2.2m)の満潮に備え、堤防は以前の3倍の大きさになったという。
住民も土のうを積んで自宅を守り、市はポンプで道路の水を湾へ排出した。
国立気象局 (NWS) は郡の沿岸全域に沿岸洪水警報を出し、毎朝の満潮が予測潮位を1〜1.7フィート(約30〜50cm)上回る恐れがあると警告した。
■年末の「キングタイド」にさらに警戒
専門家は、今回の冠水がこの冬の前触れである可能性を指摘している。
月の軌道に関わる18.6年周期と4.4年周期の変動が、今年ちょうどピークに近い。
そのため、クリスマス前後には非常に強いキングタイド(大潮)が予想される。
これがエルニーニョによる海面上昇と重なれば、さらに深刻な冠水が起きる恐れがある。
危険な地域として、ミッション湾、ミッションビーチ、オーシャンビーチのほか、デルマー、ソラナビーチ、エンシニータス、カールスバッド、オーシャンサイドの低地などが挙げられている。
︎上の画像は AI が生成したイメージです。