Thursday, 28 March 2024

先延ばし

▽50歳になった頃、「心穏やかに来世を受け入れる助走期間として、還暦までの10年間が重要に思えてならない」と書いた。還暦を過ぎた今、もはや先延ばしにできない。死を平然と受容できる平常心を求めて座禅まで参加した。何も考えずに心の中を「空」にする曹洞宗 (我が家の宗派) の座禅。心の中で問答を繰り返す臨済宗の座禅とは対照的で、この「空」の意味が分からなかった (「無」とは違う)。そもそも死の恐怖を克服したい欲求こそが煩悩だと、やっと気付いた。▽小学校時代の “お寺体験”。私と弟は10日間ほど知り合いの寺に預けられ、そこから学校に通った。日課は毎夕の「落ち葉掃除」。掃き清めても、翌日には枯れ葉が境内に落ちてくる。「2日に一度でいいのでは?」と先延ばしを願い出た私たちに、若い坊さんが柔和な笑顔で「心を掃くんだよ」と一言。毎日苦もなく俗事を続けるのが平常心。やがて魂は浄化されて往生できる。明日死のうが、百歳まで生きようが、人生の質は同じらしい。▽曹洞宗には厳しい修行も細かい制限もない。1日の少しの時間だけ、体調を整え (調身)、呼吸を整え (調息)、心を整え (調心) て、成仏した親族との思い出を慈しむことが最高の供養だとか。「こんな感じで行こうかな」と思い始めた、今日この頃。(SS)
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▽子どもの頃から先延ばしが得意で、ラストスパートで頑張るタイプだった。夏休みが終わる頃になると、慌ててさっちゃんの家に行って、絵日記の天気を写させてもらっていた。大人になって、仕事に就くと、生活がかかっているので、ロケットスタートするようになった。それでも、やろうやろうと思っても、結局やらない、なんてことはよくある。▽先日、テレビを見ていたらTEDで「先延ばし」についての講演が流れていた。先延ばしクセのない人の頭の中には “理性的意思決定者” がただ一人いて、うまいことやっている。一方、先延ばしクセのある人の頭の中には、もう一匹 “すぐにご褒美が欲しいサル” がいて、楽なこと、楽しいことだけを求めて動くので、計画したことが全く進められないらしい。そして、差し迫った状態になると “守護神のパニックモンスター” が現れ、徹夜してでも締め切りに間に合わせようとするとのことだ。▽でも、やっかいなのは、自分の夢や、目標や、やりたいことといった、期限の存在しないものにどう対処するのか。締め切りがない状況では “守護神のパニックモンスター” は 現れない。「人生カレンダー」をじっくり眺めて、自分が本当に「先延ばし」していることは何なのかを、ゆっくり考えてみたいと思った。 (NS)
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sheau-ching-san.gif 「先延ばし」は私の性格に合っていないような言葉(笑)。計画を立てるのは特に好きじゃないけど、頭の中では、なぜかいつもプラン(小さくても大きくても)を考えている。例えば、洗濯をすると決めたら、同時に何かできることも考える(どうでもいいようなこと?)—— 洗濯している間、ご飯の仕度をする、料理している間に皿を洗う、皿を洗う間にニュースを見る。洗濯終了後、洗濯物を畳む間、父と電話(いつも長電話)をする、もしくはテレビを観る。あとは、仕事から家に戻って、まずは夕飯の準備。料理をしながら、家中の片付けもするし、携帯からメールのチェック、家着に着替え、ゴミ出し、、、トータル30分で夕飯が出来上がるようにいつもやっている。コンピューターが何かをダウンロードしている間、書類関係を整理する。一つだけの作業するだけだと時間がとても勿体ないし、私にはそんな時間の余裕がないような気がする。この調子で行くと、これからも先に延ばせるようなことはあまりないかもね。。。 (S.C.C.N.)
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yoko 仕事の中でいちばん先延ばしにしてしまうのが、この 『スタッフ閑談』だ。いつも書くことが思い浮かばなくて、後回し、後回しにしていると締め切りが迫ってくる!  今回も何を書けばいいのか分からない。そういえば、お祝いのカード等にメッセージを書くのも苦手だ。何を書こうか悩んで先延ばしになってしまう。友人に文章を書くのが得意な子がいて、私が30分悩んで1行書いている間に、彼女の書いているカードは上から下までぎっしり埋まっている。メッセージを書くのは苦手だが、絵を描くのは昔から好きだったので、年賀状はいつもイラスト+「今年もよろしく」でごまかしていた。カードも余白にイラストを入れ、一言だけ書くパターンが多かった。最近は、子供たちが簡単な言葉と自分の名前を書けるようになってきたので、子供に関係のあるカードは一緒に書いてもらう。彼らは全てをとてつもなく大きいアルファベットで書くので、それだけでスペースが埋まる (笑)。あとは、家族みんながサインを入れれば出来上がりだ。(YA)
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reiko-san 人間には苦手なことや嫌なことを後回ししようとする性質があるらしい。世界中で、この先延ばしの心理についての研究も進められているらしい。ある国の研究チームが発表した研究結果では、「先延ばしする行為」について「将来の残念な結果を予測できるにも関わらず、自らの行動を自発的に遅らせてしまうこと」と定義づけているとのこと。自分の先延ばしの心理を考えると、「残念な結果を予想できるにも関わらず」というのがまさにその通りで、苦笑してしまう。いつもやってしまう些細な先延ばしは、夕食後の皿洗い。夜の間に終わらせておけば、翌朝、キッチンはすっきり片付いていて朝から気分が良くなるのはわかっていても、食後、満腹で幸せにゆっくりくつろいでいると、明日でいいやと先延ばしの心理に満たされる。そして翌日。朝から、シンクに溜まった食器や調理器具の山 (=残念な結果) を前に呆然とするのである。あと、よくやってしまう先延ばしがこのスタッフ閑談。毎回、お題を頭に入れて、時間のある時に何を書こうかと思いを巡らし、今回こそはきちんと提出しようと思うのだが、どういうわけか、いつの間にか締切日がやってきて過ぎていく。いつも申し訳ありません〜! (RN)
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suzuko-san かつて千葉県は松戸市の市役所に「何でもすぐやる課」というセクションが設けられた。市民の要請や苦情が舞い込んだら早急に処理をするという、市民にとっては願ったり、叶ったりの課が誕生したというので、ニュースになったのだ。以降、他の県が追随したかどうかは知らないが、土台、お役所仕事というのは、すぐには対応してもらえないというのが我々の認識である。そこに松戸市がメスを入れたのだ。私はこのニュースを耳にした時「松戸市よ、よくやった!」と手を叩いたことを、今でもよく覚えている。人間は低きに流れる習性があるから、よっぽど緊急事態でない限りは、ほとんどが先延ばし。特に嫌なこと、嫌いなことはできるだけやりたくない、お尻に火がつくまで。かつての編集者時代、常に締め切りと戦っていた。中に、毎月原稿を入れるのが一番遅い仲間がいた。できないのではなく、やらないのだ。何度編集長に叱られても、屁の河童状態で「間に合えばいいんでしょ」。彼の仕事ぶりは社内で全く評価できなかったが、幸い人懐っこい性格で、取材先では評判が良いのだ。故に、クビにもならず務まってはいたが、彼の原稿先延ばし状態に、毎月イライラされられる我々は、ほんとに大変だった。そんな時代も彼も、今となっては懐かしい。 (Belle)
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jinnno-san スペイン語では「アスタ・マニャーナ」、日本語では「アシタ・マターニャ」 (笑)  英語では? ん? プロカスなんちゃら? とにかく、この言葉はわたしの代名詞とも言えるので、生活の中で頻繁に利用している。年末に日本に帰る航空券。年末っていうことだけ頭の中にあって、いっつもギリギリまで日付を決めないから、チケットを取るのも頑張って出発2週間前とか。旅行の時もそう。だから、いっつも割高チケットになってしまう (笑)。スタッフの中には、1年前から日本行きの航空券を取っている人もいるっていうのに (早すぎっ!! 笑)。この間、一緒に無料ZOZOスーツをオンラインで頼んだ友達は、とっくに郵送されてきていて、わたしは8月に出荷したという知らせだけで受け取った気分になり、はっと気づいたらもう10月! まだ受け取ってない (笑) ← ZOZO社に確認をしようしようと思って、先延ばし~。2週間に一度のこのコーナー。期日がずっと来なければいいのに~ (つい、心の声が! 笑)と思ってもかならーずやってくる。今まさにやってきてる!(笑) おーのー! もっと時間が要るー! (いんや、足りてる。10年以上前から期日を知ってるでしょ 爆)。(りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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基本的に面倒なことは先延ばしにしてしまう傾向がある。まず、車にガソリンを入れることが面倒。気が付くといつもガソリンのランプが点いていて、急いで近くのガソリンスタンドを探して入れる。面倒なくせにケチって満タンにしないので、またすぐ入れなければいけなくなるのだが、なぜかこの癖は直らない。そして洗車。これも面倒くさい。が、あまり汚いと、どこかの駐車場に止めている間に「Wash me」と落書きされかねないので、ある程度汚れると、仕方なく洗車場に行く(時々、書いてある車を見かけるが、大抵汚いので、きっと誰かに書かれたか、自分で書いているのだろうと思っているけれど・・)そして、なんと今日、運転していたら2つの警告ランプが同時に点滅し始めた。1つはエンジンのようなマーク、もう1つは車がスリップしているようなマークだ。確かにここ半年くらい、車の振動が激しいなぁと感じてはいたのだが、自然に無くなるかもなんて思いながらチェックを先延ばしにしていたら、このありさま。なんだか警告ランプが現れてから、さらに振動が激しくなったような・・。いつ止まってしまうのかとドキドキしながら高速を1時間ほど走ったが、あまり味わいたくないスリルだった。明日こそ修理に行こう。 (SU)


(2018年10月16日号に掲載)