Thursday, 28 March 2024

妥協

サンディエゴ・ユニオン=トリビューン紙に連載中の人生相談シンジケートコラム “Dear Abby” を毎日読んでいる。ストレートに主張するアメリカ人とは思えないほど、人間関係の悩みでは日本人の気配りに似た相談が多く、回答も不要な軋轢 (あつれき) を避けた和合優先の解決法を提示している。<Q:毎朝8時頃、近所の児童が大笑いしながら遊ぶ声が響きわたり、病気の夫が目を覚まして困っている。隣人関係を悪化させない苦情の伝え方は?><A:早朝や夜間でない限り、親は子供を外で遊ばせる権利がある。耳栓をして眠りにつくか、引っ越しを考えましょう>という妥協的な回答。諍 (いさか) いを望まないのは万国共通か。一方、離婚、転職など、人生の決断を迫られる相談には妥協を許さない、切れ味鋭い口調に変わる。<Q:横暴な夫と別れたいが、生活を考えると二の足を踏む><A:不満 (破綻している結婚生活) を捨てて、不安 (離婚) を選びましょう> と一刀両断。不満への妥協は我慢の継続となり、自虐的な癒しの中で、自らの人生を棺桶の中に封印すること。不安の選択は一切の妥協ができず、それを克服する闘いへの覚悟が生まれ、与えられた運の強さを試せる —— (組織から出て自らビジネスを営んでいる方々もそうでしょう)。アメリカで生きる者の「人生の鉄則」とみた。 (SS)
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▽「お金にゆとりがなくても、蛇口を小まめに閉めなければ、仕事に満足できる!?」。なんだか意味不明なフレーズだが、これは先日、テレビジャパンで放送された「NHKスペシャル AIに聞いてみた どうすんのよ!? ニッポン」でAIがはじき出した提言だ。専門家の解釈によると、自分にとって大切なこと以外の些細なことは妥協する、最低限で良いという姿勢が仕事の満足度を上げるのではないか、ということらしい。そういうタイプの人の特徴としては、イライラしない、寝つきが良い、虫歯があっても治療しない、などが挙げられるとのこと。▽そういえば、昔の上司が口癖のように言っていた。「“こだわりどころ” は全体の2割程度でよい」。手を抜かずに頑張っているのに、なぜか空回りして、不完全燃焼気味だった新入社員の自分を見かねての忠告だった。多少気に入らない部分があったとしても深追いしないこと。大部分を完璧にしようとして自分を苦しくするのも、無駄な部分に捕われずに妥協して受け流すのも自分次第。そして、ある程度の妥協も正しい選択。何事も、目指すは「ほどほど」 が良いと思うようになった。広く、浅く、大いにアバウト。その方が、かえってエネルギッシュに、新たな可能性を見いだす余地があるような気がする。(NS)
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sheau-ching-san.gif 妥協は「相手に歩み寄り、譲ることで意見をまとめること」という意味の言葉。もしかしたら、我が家に存在しない言葉かもしれない (笑)。自慢じゃないけれど、私も夫も頑固頭 (がんこあたま) の持ち主で、自己主張が強く、相手の意見に100%賛成するのはなかなか難しい。大体 meet in the middle のケースが多い (笑)。そのため、満足できる解決策を話し合いながら (ケンカになる場合も結構ある)、双方が百歩譲って “妥協案” を取りまとめることがほとんど。まるで裁判所みたい! アメリカに来たばかりの頃、英語力があまりなかったので、言いたいことがなかなか英語で言えず、いつも一人で静かに、ムスッとした顔で怒っていた。時が流れ、英語力がUPし、言いたいことをちゃんと言えるようになって、今ではよく「うるさい」と夫に煙たがられている。考えてみれば、そこまで自分の意見を固持し、気を張っていても疲れるだけで、相手に合わせればいいじゃないかとも思う。。。 で、夫にそうしてもらいたい!・・・ やはり私は頑固女だ (笑)。 (S.C.C.N.)
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yoko 8年前に今住んでいるコンドに越してきた。当時はシングルだったので、それまで住んでいたスタジオアパートに比べると、ゆったり広くて快適。インテリアを好きなように配置し、日当りのよい窓辺には観葉植物を置き、新しい部屋での生活に気持ちが華やいでいた。しかし、夜中に上の部屋からの物音がひどくて驚いた。歩き回る音、家具を引きずる音、クローゼットを開け閉めする音、シュレッダーの音・・・時計を見ると夜中の2時! 気になって全然眠れない。そういえば、今まで下の階に住んだことがなかったので、上の階の物音というものを体験したことがなかった。でも毎日、夜中の2、3時に煩いのはかなわない。上の部屋に住んでいる人に、夜中に音を立てるのはやめてほしい旨を伝えたが、それが自分の生活のスケジュールだと言われてしまった。彼女は夜の9時に帰宅し、いろいろしてから、明け方に眠りにつくそうだ。今では上の物音にすっかり慣れてしまった私だが、夫が夜中の物音が気になって、この間、文句を言いに行った。やはり全く聞き入れてもらえなかった。もう少し、こちらの意見も聞いてもらいたいものだ。 (YA)
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reiko-san △家で仕事をする時は、ダイニングテーブルが私の仕事場で、すぐそばに猫たちのご飯エリアがある。仕事の最中も、ご飯を食べにやってくる猫たちの様子が見られて面白い。我が家は普段はカリカリご飯だけで、たまに缶詰をあげるのだが、猫たちは缶詰の方が嬉しいらしい。そして大食い猫CCは、ボールに山盛りご飯が入っていないとガッカリらしい。それでも、我が家の場合、お腹が空けば、カリカリでも、ボールに半分以下しか入っていなくても、我慢して食べなければいけないワケで、猫たちが妥協して食べているのがありありと分かる。ごめんよ、猫たち。でも、このカリカリの方が食べ過ぎて吐くこともないし、体調も良さそうだし。そういうことで我慢してね。△猫たちは、夜、私にくっついて寝るのが好きだ。CCは先住猫トラちゃんと仲良くしたいらしいが、トラちゃんはあまりCCとベタベタしたくないらしい。そんなワケで、ベッドに横になった私のそばに、どちらが先に来るかが勝負。トラちゃんが先に私のそばに場所を確保すると、CCはトラちゃんに威嚇されるので、妥協して私の足元で丸くなって寝る。CCが先だと、トラちゃんはベッドの上にも乗らず、大妥協でひとりリビングのソファで寝ているようだ。どんな気持ちで寝ているのだろうか。気になる。 (RN)
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suzuko-san 惚れた腫 (は) れたの感情が続くのは、せいぜい1〜2年。あとは我慢と妥協の精神で続けていくのが結婚だ・・・と誰もが口々に言う。いわば、結婚は我慢大会?の産物であると。私はその我慢大会に大敗してしまった組である。元来が、本来しなくてもいい我慢はできるだけしたくない、と豪語して生き続けているが、結婚のみならず、家族、会社、友達など、自分という殻から一歩出ると、そこにある人間関係を避けては通れない。彼らは自分と全く同じ考えを持っているワケもないのだから、意見の違いが生じた時は、どちらかが妥協して相手に合わせるか、あるいは双方が少しずつ歩み寄って解決策を見出すか、それ以外に円滑な関係は保てない。いつかテレビで田村正和が「人と折り合いをつけて暮らすのに疲れた。だから一人暮らしがいい」と言っていた。仕事関係や友達関係など「折り合い」をつけなくては保てない関係は、なかなか捨てるに捨てられない。結婚は頑張れば捨てられる。そして、一人の「自由」を享受できるが、同時に「孤独」も勝手についてくる。あるいは自分で捨てなくても、「老い」がいつかは自由と孤独を運んできてくれる。この2つをどう妥協させて生きていくか。まさに終活の課題。しかし、それももうすぐ?  怖い話ではある。 (Belle)
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jinnno-san Uber 愛好歴数年になるんだけど、初めの頃はタクシーと同じで、自分だけ乗るサービスしかなかったので、自分専用で Uber に乗っていた。その後、相乗りサービスが登場して、知らない人との相乗り経験を積んでいる (笑)。あ、説明しますと、Uber はタクシーに代わって誕生した、個人事業主が自分の車で配車サービスをする会社システム (知ってるね! 笑)。相乗りに慣れてくると、一人で乗車する料金より安価なので、ずーーっと相乗り。でも、快適相乗りサービスに最近異変が! 普段は迎えに来てくれる地点を Uber に知らせるのだけど、お迎え地点はその場だから、自分はどこにも動かなくていい。でも先週、Uber がわたしの所へ迎えに来ず、どこどこまで歩いて行って待ってなさい、と言ってきた! Uber は昨今、乗車料金の値上げ、運転手へのコミッションの引き下げと、消費者とドライバーに不利な対策を次々と打ち出してきた。そして 「あなたが Uber のところまで来なさい」と、そもそも一歩も歩きたくないからUberを呼んでいるわたしに妥協しろと? (笑) というか、おい、そこのデ部 (あたいの部活 笑)、つべこべ言わずに、歩けー! (笑)。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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妥協とは、「対立した物事で双方が納得しない場合、一方が他方に、または双方が譲ることで意見をまとめること」。考えてみると、私は妥協の多い人生を歩んできた気がする。5人兄弟の末っ子で、上の姉たちとも歳が離れているためか、自分の家族を持って子供がいる今でもなお、あれやこれやと言われる。でも、私自身も姉や親の言う通りにしてしまうことが多い。一般的に末っ子は甘やかされて育つとか、我がままだと言われるようだが、自分の意見を押し通すチャンスもあまりない。したがって、言いたいことはあっても話を聞いているうちに 「そうかも・・」 と、相手の意見に同調している。自分の考えを通すことを放棄しているだけなのかもしれないが、自分を通すより、相手に合わせた方が楽だと思っている。特に、私の夫は頑固者だから、私は彼の意見をよほどのことがなければ否定しない。頑固者相手に話すと疲れるだけだからだ。どうせ最終的に相手の意見が通るのだから、余計な体力を使わず初めから妥協したほうがよい。ただ、最近の夫は、私が何も意見を言わないことに不満を持っているようだ。  でもさ、言ったところで、ちゃんと聞き入れるわけ? え? (私の心の声)。 (SU)


(2018年3月16日号に掲載)