—— 今シーズンのパドレスの雰囲気 5月にチームの月間最多勝利(22勝)を記録してNL西地区の首位に立ち、去年と比べると自信とまとまりが感じられますね。強いチームになったという感触がある。デイブ・ロバーツとウッディ・ウィリアムズの両選手がムードメーカーとなり、試合中は勿論、クラブハウスでも盛り上げてくれて、チームが勝つとお祭り騒ぎになります。オヘダがサヨナラヒットを打った時 (5月30日・対ブルワーズ戦) もビールを掛け合ったり、踊ったり(笑)。とにかく、最後まで試合を諦めないという気持が強いですね。 ——メジャー2年目の意欲 デビューの昨シーズンは、渡米前から自分が成功するイメージを心の中で描き続け、それが現実になった素晴らしい年でした。今年はキャンプの時に、得意のスライダーに加えて相手を惑わせる投球も必要だと思い、チェンジアップやフォークを身に付けたいとコーチに申し出たら、即座に「その必要はない。お前の防御率は1点台でホールド数はリーグ1位だ。肩や肘を痛めたらそれこそ大変だ」とバッサリ斬られてしまいました。僕としてはもっと自由に試してみたかったのですが、自分のスライダーにコーチが絶大な信頼を置いていることを改めて認識しました。今シーズンもスライダーをウイニングショットに勝ち進んでいきます。 —— 結果を出せなかった時 打たれた時は、そりゃぁ辛いですよ。そんな時は何もしたくないですよね。英語の勉強なんてやってられるかと思いますしね(笑)。それでも原因は自分で分かっているし、僕はいつも「やるべきことをやれば良い結果が出る」と割り切っています。ピッチングというのは微妙で、投げているうちにフォームが1インチだけズレても、その誤差が悪い結果となって現れます。修正と調整の繰り返しですね。結果が出なかった時は、遠征先だったら悔しくて寝つくことができません。ホームゲームだったら家族が癒してくれますけどね。 —— 家族の協力を得て 嫁さんの全面的理解があったから、日本のプロ野球で活躍できたし、僕の夢がメジャーに向いて、アメリカでのチャレンジも実現できたのは確かです。僕は成功することしか思い描いていなかった。まともに考えると無謀ですよね(笑)。でも、そういう強い気持があれば、心に描いていたことは実現するでしょうから。僕は多くのことをメジャーリーグで体験しています。アメリカでの経験を積んでいく中で子供たちも成長していくし、人生面でも良いアドバイスができるお父さんになりたいですね。息子が野球選手になりたいと言うなら応援するし、僕よりも優れた選手になって「歌って踊れる選手」を目指してほしいですね(笑)。シーズン中は野球選手、オフシーズンには芸能界で歌手や役者にもなれるようなタレントにね… (笑)。 ——遠征先での楽しみ 和食党なので、遠征先のホテルで評判の良い日本食レストランを聞いて出かけます。シアトルでは長谷川滋利投手とよく一緒に食事しますね。僕らがサンフランシスコに遠征した時にホワイトソックスがオークランドに来ていて、高津臣吾投手と食事をする機会もありました。日本人選手とは携帯電話で連絡を取り合っています。向こうがホームゲームの時は家族がいるから、あまり邪魔をしたくないし、せいぜいランチを共にするくらいですね。 —— コーキーズのCM出演 テレビで実況中継を担当しているマーク・グラント氏からコーキーズ (シロアリ駆除会社) が僕を起用する意向があると聞いて承諾しました。撮影は2~3時間で終了しました。どこでウけたかというと、僕がバットで料理を目茶苦茶にするシーン(笑)。今年もコーキーズがCM契約をしてくれて、そのシーンを入れながらほのぼのさも加えて「面白系」でまとめています。僕も嫁さんもアイデアを出しました。「新バージョンをお楽しみに!」という感じですね (笑)。 —— ファンの皆さんに一言 ペトコ・パークで 「頑張れ!」と叫ぶ日本語の声援を背に受けると奮い立たされる気持になります。球場内外でも激励の言葉をかけて頂いて、いつも勇気をもらっています。皆さんの期待に応えられるようにプレーオフに進出し、ワールドシリーズに出場して、その雰囲気を楽しんでもらえるように頑張ります。ワールド・チャンピオンになることができたら、僕もファンも最高の喜びですから。 (2005年6月16日号に掲載) |