Thursday, 25 April 2024

トランプ氏の大統領就任式に抗議、過去最大級?

トランプ氏の大統領就任式に抗議、過去最大級?

エルトン・ジョンさんなど著名歌手、相次ぎ出演辞退

2017年1月1日

 © Joseph Sohm

米国の利益を最優先する「米国第一主義」(アメリカ・ファースト) を掲げ、日本に対し、米軍駐留経費の全額負担を一貫して求めてきたドナルド・トランプ氏が1月20日、第45代米大統領に就任する。

首都ワシントンで行われるトランプ氏の大統領就任式に合わせ、人権団体などが数十万人規模のデモを計画している。

参加者は計100万人に上るとの見方もあり、警備当局は大統領就任への抗議活動では過去最大級になる可能性があると警戒。

トランプ氏支持団体も首都に集まるとされ、反対派との衝突を懸念する声もある。

米メディアは著名歌手のセリーヌ・ディオンさんやエルトン・ジョンさんらが相次いで就任式への出演依頼を断ったと報道。

選挙中のトランプ氏の女性蔑視発言や人種差別的な姿勢が影響したとみられる。

就任式は米社会の分断を浮き彫りにしそうだ。

ワシントンの関係当局にはこれまでに少なくとも15団体がデモ行進の許可を申請。

1月21日に予定される「ワシントン女性行進」には既に許可が出ており、全米から20万人の参加が見込まれている。

主催団体は「新政権に女性の権利は人類の権利だという強いメッセージを送る」と意気込んでいる。

トランプ次期政権は保守強硬派が多く起用され、人権軽視が懸念されている。

各団体はヒスパニック(中南米系)や黒人などマイノリティーの権利尊重などを訴える構えだ。

次期政権の主要閣僚には、国務長官に石油大手エクソンモービルのティラーソン会長兼最高経営責任者 (CEO)、国防長官にジェームズ・マティス元中央軍司令官が指名されている。

ワシントンの人口は65万人だが、米メディアによると、就任式やパレードには計80万人以上が参加する見通し。

警備に当たる軍関係者らは13,000人に上るという。

ジョージ・メイソン大のスティーブン・ミラー教授は抗議デモの規模を最大100万人と予想、トランプ氏の警備が最大の課題と指摘している。


(2017年1月16日号掲載)