Monday, 29 April 2024

SDで警官撃たれ2人死傷、テキサス、ルイジアナに続く事件

SDで警官撃たれ2人死傷、テキサス、ルイジアナに続く事件

6月の糾弾集会と行進から1か月半、動揺隠せない市民

2016年7月29日


サンディエゴで7月28日深夜、警官2人が銃で撃たれ、1人が死亡、1人が負傷した。

警察は容疑者の男1人を拘束、男も撃たれて負傷した。

サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙 (電子版) など地元メディアが29日に伝えた。

今回撃たれた警官2人は組織犯罪対策の担当。

両警官は現場付近で通行車両を停止させて調べていた最中に撃たれたとみられる。

死亡したのは43歳のベテラン警官だった。

銃撃が起きたのはサンディエゴ市南東部のサウスクレスト地区で、地元ギャングの抗争など、昔から治安の良くない地域の一部と言われていた。

7月28日午後11時前、緊急支援を要請された同僚が現場へ駆けつけると、負傷して出血している両警官の姿があり、直ちに2人を病院へ搬送したが、43歳の警官は病院内で死亡が確認された。

現場近くの住人の話では8〜10発の銃声が聞こえたという。

米国では黒人が警官に射殺される事件が多発したのに続き、テキサス州やルイジアナ州で警官が相次いで銃撃され、緊張が広がっていた。

オバマ大統領は、テキサス州ダラスとルイジアナ州バトンルージュでの警察官銃撃事件について「卑劣な攻撃」 との声明を発表。

「この国をさらに分断させるのではなく、結束させる言動をすべきだ」 と国民に呼び掛けていた。

「国家として、法執行機関への暴力を正当化できる理由はないことを明確にし、文明社会への攻撃をやめさせなければならない」とも述べていた。

これらの事件を受けて、サンディエゴでは6月、LGBT (性的少数者) の多くが居住するヒルクレストに約1,000人が集まり、偏見と憎悪による蛮行を糾弾する行進が行われたが、1か月半後に地元で発生した同様の事件にサンディエゴ市民は動揺を隠せないでいる。

6月の集会に参加したケヴィン・フォールコナーSD市長が「私たちは恐怖に屈せず、誇りを胸に抱いて団結していく」 と宣言し、トニ・アトキンスCA州下院議員も「今こそ怒りを行動に変える時」と呼び掛け、厳格な銃規制法の必要性を声高に唱えたばかりだった。

(*写真はイメージ)


(2016年8月16日号掲載)