リタイアメントプランを考える(2015.6.16)

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ishiwada new face石和田 貴光

保険エージェント

兵庫県神戸市出身。大学卒業後、新聞社系出版社にて教育広報部、営業企画部を経て、2001年8月25日に渡米。2005年10月にイシワダ保険エージェンシーを設立。カリフォルニア全域をカバーし、医療保険、生命保険、各種年金プランやペンションプランを専門とする。医療保険最大手のAnthem Blue Cross社より、カリフォルニア州 Top 1%の業績が称えられ、Premier Partnerとなる。趣味はランニング、読書。



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リタイアメントプランを考える

       

アメリカのリタイアメントに関する調査を行っているEmployee Benefit Research Instituteの統計によると、約3人に2人しか老後に向けて快適に過ごせると思える資金を積み立てていないそうです。

 

3人に2人というと、結構な数の方が充分な資金を積み立ててきているように思えます。

 

実際のところ、そう思っておられる方の約42%の方が「25〜50万ドル」くらいあれば、十分だと感じているようです。

 

自分以外の多くの方が、どのくらいの資金を意識して積み立てているのかを知ることは、自己啓発にもつながるので重要です。

 

医療サービスの技術や質が向上したこともあり、年々、人々の寿命は延びている傾向にあります。

 

よって、20年〜30年も前に挙げられていた「60歳で定年」 といった概念は、一般的には早すぎるといった感覚に変わっています。

 

おそらく、今から20年〜30年後は、リタイアメントをうたう年齢の軸は 「70歳〜75歳」になっているかもしれませんね。

 

 

 

数字で目標設定を作り、プランを走らせる

 

リタイアメントプランを考える際の一つの軸として「65歳」 を意識してみたいと思います。

 

アメリカでは、65歳までにTax Return (確定申告)を10年以上行った履歴が確認できる対象者には、65歳になった時点で「Medicare」 と呼ばれる医療保険のベネフィットを受給することができます。

 

仮に、65歳になられたタイミングでも、お勤め先の Group Health Plan に加入し続けることは可能です。

 

しかし、65歳になられたタイミングで個人向け、または、家族向けの医療保険に加入されている場合は、Social Security Officeが発行するMedicareの医療保険に切り替える必要があります。

 

医療保険のベネフィット以外にも、年金として生活費の補助として受給できるベネフィットもあります。

 

受給できるまでに支払って来た額によって金額は異なりますが、平均で月1,300ドルから、多い方で月2,600ドルほど受給できるようです。

 

リタイアメントに関しては、お一人の場合や、ご夫婦の場合など、それぞれに応じた計画を、具体的な数字に置き換えて目標を作る必要があります。

 

何となくといった不明瞭な計画が行きつく先は、不明瞭な結果でしかありません。

 

明確な計画と目標設定ができてこそ、明確なゴールへと近づけるはずです。

 

 

 

キャッシュ積み立て・IRAを利用した積み立て

 

アメリカにおけるリタイアメントプランで、最も知られている方法は、年金プラン(Annuity)と呼ばれるプランを利用した投資です。

 

基本的に、Annuityを取り扱う保険会社によって運用される投資プランです。このAnnuityは、大きく分けて2通りの方法で購入することが可能です。

  1. キャッシュでAnnuityプランを購入する方法
  2. IRA (Traditional IRA or Roth IRA)を通じて購入する方法

 

 

Annuityに投資された資金は、59歳と半年までに引き出さない限り、利益に対する所得税が課税されない特典があります。

 

Annuityを購入する本来の目的とは、老後のゆとりある資金状況を生み出すためです。

 

仮に、Annuityに投資された資金が増え続けた場合でも、利息に対して税金が課税されないメリットがあります。

 

よって、10〜15年といった中期、20〜30年といった長期で積み立てていくほど、老後に大きなリターンが期待できるプランとなり得ます。

 

 

 

No Plan, No Workflow, No Results

 

手芸、ゴルフ、テニスにしても、何でもそうですが、小さなことからコツコツと育んだ基盤ありきで、盤石な達成が生まれます。

 

豊かなリタイアメントも、小さなコツコツをどのくらいの尺度で守り、育ててこられたかに比例して生まれると考えています。

 

遅すぎると考えるか? まだ早すぎると考えるか?

 

何もしないことが、一番のリスクです。

 

大切なのは 「具体的な計画を立て、実行すること」だと思います。

(2015年6月16日号掲載)

     

 

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