Thursday, 28 March 2024

カーサコーブのアザラシ保護裁判

カーサコーブのアザラシ保護裁判

控訴裁、SD市の閉鎖決定権認める

2016年12月20日


ゴマフアザラシが棲息する砂浜として知られるラホヤのカーサコーブ (通称チルドレンズプール) は、繁殖期の12月15日から5月15日までの5か月間、サンディエゴ市の保護条例により閉鎖する措置が取られている。

過去20年以上にわたり、一時的に砂浜をロープで仕切るなど動物保護に努めてきた市側は、昨年2月にアザラシ保護条例を制定。

8月にはCA州沿岸管理員会 (CCC) から規定内容が承認され、昨年末に同条例を全面施行するに至った。

閉鎖期間に海岸に立ち入った違反者は最高1,000ドルの罰金あるいは6か月間の拘留、または制裁金250~500ドルを科される。

閉鎖期間中、カーサコーブは防潮堤の階段から砂浜まで鎖で囲まれ、海岸への立ち入りを禁じる標識が立つ。

だが、動物保護の名の下に、一般市民の海岸アクセス権が不当に制限されていると提訴するダイバーや波止釣り愛好家も存在しており、これらの司法判断の結果が待たれていた。

昨年12月中旬、州控訴裁から「海岸閉鎖決定の裁量権は自治体にある」 との判断が示された。

動物保護団体はアザラシの全面勝利として評価。

一方、反対派からは他海岸にも規制が及ぶとの声が聞かれ、法廷闘争を続ける構えを見せている。


(2017年1月16日号掲載)