トランプ氏、自政権の暴露本『炎と怒り』に圧力、提訴へ

トランプ氏、自政権の暴露本『炎と怒り』に圧力、提訴へ

元政権高官バノン氏孤立の原因に、中間選挙への影響も

2018年1月15日

"Fire and Fury" by Michael Wolff / Henry Holt & Co.

トランプ大統領は1月4日、トランプ政権の暴露本『炎と怒り』 (Henry Holt & Co 社) の発売停止を出版社や著者に求め、提訴する構えも見せて圧力を加えた。

暴露本が原因でトランプ氏と関係が悪化した元政権高官のスティーブン・バノン氏は、会長を務める右派サイトから追放される可能性が取り沙汰されるなど孤立が加速。

バノン氏の影響力低下は11月の中間選挙の動向に影響を与えそうだ。

出版社はトランプ氏の要求を拒否。

暴露本の注文が殺到しており、予定を前倒しして1月5日に発売すると発表している。

暴露本は関係者の証言に基づいて「トランプ氏は大統領選で勝つつもりはなかった」などとトランプ氏や家族らの醜聞が多く記載されている。

米メディアによると、トランプ氏の弁護士は大統領への名誉毀損に当たるなどとして出版社に発売停止を要求。

バノン氏にも情報漏洩 (ろうえい) をやめるよう求める書簡を送った。

トランプ氏は3日、ロシアと接触した長男ジュニア氏らをバノン氏が暴露本で非難したことに激怒し「バノン氏と私は無関係」と決別を表明。

バノン氏に活動資金を提供してきた富豪のレベッカ・マーサー氏は4日、「バノン氏とはこの数か月間、話もしていない」とする声明を出して関係断絶を宣言し、他にも距離を置く支援者が出ている。

ウォールストリート・ジャーナル紙電子版によると、バノン氏が会長を務める右派サイト、ブライトバート・ニュースの役員の間ではバノン氏追放への賛同が拡大。

ホワイトハウスのサンダース報道官は4日の記者会見で、同サイトからのバノン氏退任は「検討されて当然だ」と同調した。

バノン氏は今年11月の中間選挙で、共和党の主流派に対抗して保守強硬派の候補を各地で擁立することに意欲を見せたが、こうした動きが鈍化する可能性がある。


(2018年1月16日号掲載)