米国GDP100兆円下振れも
トランプ氏が当選した場合の試算
2016年9月14日
英調査機関オックスフォード・エコノミクスは、11月の大統領選で共和党のトランプ候補が当選した場合、2021年の米国の国内総生産 (GDP) が1兆ドル (約102兆円) 下振れする可能性があるとの試算をまとめた。
GDPが5%減る計算。
ロイター通信が9月13日に伝えた。
オックスフォード・エコノミクスは、大統領選で民主党のクリントン候補が当選し、議会では民主、共和両党が権限を分け合う「基本シナリオ」 の下でなら、米経済は2017年以降、年2%のペースで拡大し、2021年にはGDPが18兆5千億ドル (約1860兆円) に達すると予測した。
トランプ氏が当選しても、選挙戦で訴えた通商や移民政策をめぐる主張は骨抜きにされる可能性があるとする一方、政策遂行に成功すれば害が大きいとも指摘。
その場合、成長ペースは鈍り、2019年にはほぼゼロ成長に落ち込むと予想した。
GDPは基本シナリオよりも5%少ない17兆5千億ドルにとどまるとみている。
オックスフォード・エコノミクスは「世界経済の回復を弱めることになる」と警鐘を鳴らした。
基本シナリオは、議会で民主党が上院を、共和党が下院をそれぞれ掌握する環境を前提にしている。
(2016年10月1日号掲載)