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犬に関する問い合わせの中で最も多いのが、ほえる問題行動です。そして、この行動を修正していくことがとても難しいとされているのも事実です。今回は犬が本当に伝えたいことを考えてみましょう。少し角度を変えて犬を観察すると、問題行動のおぼろげな輪郭が見えてきます。
何事も最初が肝心
耳が下がり、体全体が丸まり、低い姿勢で震え、尻尾を股の下に挟みこんでしまっている犬の姿を想像してください。これが小型犬やパピーであれば、あなたはどのような感情を抱き、どのような対応をしますか。ほとんどの人が、「怖がっているんだな。かわいそうに。大丈夫だよ」と慰めの気持ちを持つことでしょう。ましてやこれが自分の犬であれば、抱きかかえたり、優しい声をかけたりして心配しますよね。
実はこの気持ちや対応が、怖がりの犬をつくり、怖がりの犬を更なる怖がりにしているのに他ならないのです。まれに生まれながらに怖がりで弱気の犬はいますが、その後の生活環境や家族構成でその犬に自信をつけていくことは充分できます。
ほとんどの犬は好奇心旺盛で新しい世界に関心を持ち、自分で確かめていくことを楽しみます。特に生後6か月までは、身の回りの世界からすべてのことを学び、その犬の一生を左右するとても大切な時期です。人間でも「三つ子の魂百まで」と言いますよね。同じく、犬もこの時代に培ったことが基盤となります。ですから私たちは、犬と共に社会に出かけ、かみつきの抑制を学び、トレーニングに励みます。ここで大切なことは、彼らを「犬」として受け止めているかどうかです。
残念ながら、ほとんどの人がパピーを人間の子どものように、またコワレモノのように扱います。他の犬と遊んでいて、犬が「キャイン」と鳴いたときに抱き上げたりしていませんか。怖がっている様子を見せたとき、体をさすり「大丈夫よ」と励ましていませんか。「はい」と答えた方は犬への対応を見直しましょう。
飼い主の態度次第
よくほえる犬は気が強いと思われていますが、実際はそうではありません。自信があり、経験豊かな犬はむやみにほえません。怖がりの犬がほえていることが多いのです。犬の気持ちになってみましょう。
「彼女(飼い主)の不安、心配、恐れがひしひしと漂う中、僕は散歩に来ている。彼女はいつも後ろからついてくる。僕はリーシュにつながり、時々は長く伸びるけど突然短くなったり、止まったりでわけがわからない。向こうから犬が来た。ほら、また飼い主が緊張している。よし、この危機を脱出するために自分が精一杯の抵抗をしてみよう。ワンワンワン! まだ彼女は心配そうに見ている。ワンワンワン! フー、やっと犬もどっかに行ったなぁ。彼女もよくやったと背中をさすり、僕の行動を認めてくれている」。
では、オーナーがどのような態度ならば、犬は違う感じ方をするのでしょうか。
「散歩にいくよ!」と飼い主が楽しそうに犬に声をかける → やったぁ。彼女は歩くの早いんだもん、待ってよ、ねえねえ(犬)。
あ、犬が来た(犬)。→「リーブ・イット」(飼い主の声)。→ ちぇ、挨拶できないのね、ここでは。あの犬なんだか恐そうだなぁ。でも、彼女はまったく気にしていないみたい。じゃ大丈夫だろう! ルンルンルン(犬)。
何あの看板、怖そう…。ほえちゃえ! ワンワンワン!(犬)→「コラ! 怖いの? 情けない! 確認してごらん」(飼い主)。→ クンクンクン、ほんとだ、たいしたことないや。ハハハ。あ、そうかリーシュついてるの忘れてたよ(犬)。
このように、飼い主の態度次第で、同じ状況でも犬が認識する世界は全く異なってきます。犬に必要なのはリーダーです。でも、そのリーダーの対応や気持ちがリーダーにふさわしくない場合、犬は信じるものを失ってしまいます。リーダーとしての愛情を愛犬に与えてください。そうすれば犬は自信が持てるようになり、オーナーの声に耳を傾けます。
私たちは怖がりの犬にしないよう最大限努力すべきです。怖がりの犬は自分の身を守るためであれば、噛む行動にまで出てしまいます。特に、幼児に対しては注意が必要です。子どもたちの行動は犬にとっては予測不可能です。子どもは突然走り、動き、手を振り、甲高い声を発します。そして犬に向かって一直線で正面から近付きます。ですから、子どもたちも犬への対応を学ぶ経験は必要ですが、そのような事態になっても落ち着いていられる犬に育てることもオーナーの務めなのです。
最後に
怖がりの犬に対しては近付かないようにしてください。慰めの気持ちや不安な対応は犬を追い詰めるだけです。ご自分の犬が怖がりの犬であれば、専門家に相談し、自信をつけていくトレーニングを始めましょう。何歳からでも学ぶことができますが、高齢になるほど膨大な時間と根気と努力が必要になってきます。そうなる前に、パピー時代に彼たちを一人前の犬として扱い、自信に満ちた輝いた犬に育ててください。
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