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前回はストレスと胃腸病の関係をお話しました。今回は不眠症とストレスの関係についてお話したいと思います。
眠れない夜は誰にでもありますが、2晩3晩と続くと不安になるものです。最近こちらのコマーシャルで多いのが胃腸薬に次いで睡眠薬です。睡眠薬はクセになり、薬そのものが脳に働きかけるのですから、副作用も最近騒がれたアンビアンの夢遊病や、忘れっぽくなるなど、怖いものです。現代医学は「不眠が健康を害する証拠はない」と言います。でも、ゾンビ気分で、仕事も出来ないのでは困ります。1日寝ないと10万個の脳細胞が死ぬという説もあります。
不眠症のパターン
一般に不眠症を訴える方には2通りあって、痛みなどの肉体的な障害があって眠れない方と、情動的な障害で眠れない方がある訳ですが、ストレスに関連する不眠症は後者に当てはまります。パターンは入眠障害、つまり寝つけない方、熟睡障害、要するに寝つけてもすぐ目が覚めるいわゆる眠りの浅い方、それに夜昼の生活周期が狂って、いわゆる時差ボケ状態の方があります。もっとも、最後のパターンは仕事の関係で夜勤があって、周期が逆転している方もあるわけですが、肉体的、精神的ストレスとなっていることは明白です。
この情動障害による不眠には、ストレスの他に甲状腺機能亢進、更年期障害、それに生活習慣病の結果などもありますから、第三者に判断してもらうことが必要です。
東洋医学と不眠症
東洋医学では、人間の体は昼は陽気が活動し、夜は陽気は肝臓の血の中に入って休み、替わって陰気が活動し始めて臓器の中で栄養を作り、それを体全体に配ると考えます。簡単に眠りに落ちることができないのは陽気が夜になっても血の中で休まず、辺りをふらつくからです。夜中に目が覚めてしまうのは、血が少なくて陽気が休んでいられなくなって動き出してしまうからです。朝早く目が覚めてしまうのは、陰気が少なくて早々に仕事を止めて、陽気を起こしてしまうからです。
ストレスは陽気を煽る
こうした東洋医学の見方を現代医学で翻訳すると、不眠の原因の1つに交感神経の過剰緊張が挙げられます。人間の生活を支える神経には2種類あって、1つは交感神経で「戦うか、逃げるか」といった状況に対応しています。朝目が覚めてから夜寝るまで、学校や仕事を含めて気を引き締める環境に対応している時、つまりストレス下では交感神経が私たちの体を主導しています。
一方、食事したり、ゆったり風呂を浴びたりしている時は副交感神経が働いています。この2つの神経系統はいわば陽気と陰気の関係で、一方が働いていると、他方はしぼんでしまいます。健康な生活を維持するためには、生活の中で陰と陽のバランスを取ることが必要です。
不眠症のツボ
寝る時間が来ても頭の中に次々に考えごとが浮かんで眠れない、眠ってもすぐ目が冷め、頭も冴えてしまう。つまり、陽気が体中を駆け巡っているような方には、先ず夕食を睡眠の3時間以上前に取り、食事を楽しんで陰気を旺盛にし、その後軽い運動(セックスを含む)をして陽気を発散する、そしてシャワーではなくお風呂に10分以上浸かって陰気を刺激することなどをお勧めします。セックス後は頭がかえって冴えるという方は、もう少し時間を掛けるなどの工夫が必要でしょう。
不眠症のツボは足のカカトの真ん中、失眠(しつみん)というツボで、ここにお灸を熱く感じるまで、何壮でも繰り返します。臨床では片足20壮などという方も珍しくありません。市販の簡易灸(千年灸や釜屋ミニなど)で十分に効きます。因みに、このツボは脚の浮腫(むくみ)にも効きます。陽気を引き下げると説明されます。
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