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幸運の女神
ゴルフ歴4年の愛弟子「ヨッシー」は、この5月に4度目の実技テストにチャレンジしました。一緒に回っているジョーのシャンク(クラブのネックがボールが当たって右にいく)に気を取られ、ヨッシーは幾分落ち着いてきました。我慢強くボギーゲームでしのいでいると、ゴルフ場係員がやって来ました。
「1番ホールの白杭は隣のホール用ので、OBではありません。セカンドラウンドの1番ホールグリーンで、最初オリジナルボールのあった場所を思い出して、そこからパターをして下さい」。これは幸運の女神からのビッグニュースでした。
「運が向いてきた!」。そう、そうなのです。少なくとも2打減ります。私たちは元気が出てきました。何しろ、最初のラウンドを80で回ればセカンドラウンドは100でも何でもOK。目標はLPGAなのですから。セカンドラウンドを完了するエネルギーさえあればよいのです。
16番ホールがやってきました。昨日はここでダブルスコアの8を叩いてしまった悪夢のホール。私も緊張します。戦法を変えて狙い場所をかなり左に向けました。これが大成功。バーディーで3。気合いが入ってきました。残り2ホールをパー、バーディーが目標。「ヨッシー、もうのんびりやっている時間がないの。攻めて行きましょう!」。ヨッシーも頑張りパー、パーでしたが、次にやってくる1番ホールで最後の山場を迎えることになりました。5 m斜め下りのパターが入れば合格。スゴい、ドラマチック!!
最初の18番ホールが終わり、ランチボックスが支給されます。太巻きおにぎりもたっぷり用意して、年中空腹の私はおにぎり4本ペロリ。緊張ヨッシーはさすがに2本。サンドイッチにも手をつけずに。「ヨッシー、食べないの? じゃ私が…」と、パンも残りのおにぎりもペロリ。私は緊張すると食べてしまうのかしら? ストレスで食べるのかしら? いいえ、ただ単にいつでも食べるのでした!
そして、またラッキーなニュースを耳にしたのでした。LPGAの規定が5月から変わり、このゴルフ場だと83で合格らしい。ゴルフ場主催者側に確認を取ったところ、やはり80という冷たい返事。こんなはっきりしないテスト会場も珍しいですねぇー。はっきりしないままに、山場の1番ホールグリーンに向かったのでした。
クライマックス
私はパターラインを読んでいるのですが、ヨッシーの目玉は飛び出しそうになっていました。彼女はやる気ムンムンになると、目が落ちそうになります。
「これを絶対入れてやるぅー!!」。「ヨッシー、お願いだから、入れに行かないで、2打でよいから。頼みます!」。優しく指図しました。彼女は不満気でしたが、私の真顔を見て我慢したのです。私の考えは幸運のニュス合格ラインが少なくとも80ではなく、多少の追加数があるかもしれないと考え、それならオーバーを出来るだけ少ない数で抑えたかったので、何としても81で終わりたかったのでした。入れに行って、しかも下りで緊張していると3パットになってしまうのは簡単です。
ヨッシーは2パットで終わり、スコアは81となりました。私たちは緊張の解けたセカンドラウンドを淡々とこなし、7時過ぎに公式スコア表の証明書を持ち帰りました。合格か?… 不合格か?
2人は複雑な心境のままで悶々としていました。
結果はどうであれ、ヨッシーの家に戻り、お疲れ様の晩餐をしました。ヨッシーは不満そうでした。あの時、1打で入れたかったのに! 私はすぐにLPGA本部に問い合わせのE-Mailとスコア証明書をFAXで送りました。長かった1日が終わり、少なくとも私はぐっすり寝ましたが、ヨッシーはどうだったかしら …。
なみだ
翌朝7時、フロリダにあるLPGA本部からの返事を期待して、私は1人でPCの前に座りました。Mailは届いており「PATは合格」との文字が目に入りました。「ヨッシー! いらっしゃい、ヤッター、合格よ! ホッ」。ヨッシーがPCの前にやって来てE-Mailを見たのです。狐に包まれたようなポカンとした顔をしていて、私の方がはしゃいでいました。「来た甲斐あった!」
ヨッシーが友人に合格報告のE-Mailを書いている間、私は台所の片付けをしていました。ぽろぽろ涙を流しているヨッシーを見て私も感動してしまい、師匠が泣いてどうする!! と慌ててトイレに駆け込んだのでした。「ヨッシー、本当におめでとう!」。
ヨッシーのコメントを紹介します。
- Sadamiさんが太巻きおにぎり合計6本とサンドイッチを「これあんまり美味しくないわね」と言いながら食べてしまったのを見て、「この人には敵わない!」… どういう意味?
- 「大丈夫よ!」と言いながら顔が「ダメじゃない!」と言ってました。
終わりではなく始まりなのです
さて、無事PAT(実技試験)に合格しましたが、まだアマチュアです。これからPGA、LPGAに認可された仕事場で少なくとも年間平均週10時間働き、その3か月間の証明書、PAT結果などをLPGAに送ります。その時点でアマチュアではなくなり、その後4日間のセミナーに出て、筆記試験に合格すると初めてLPGA Apprenticeとなり、沢山の勉強、1日($85〜$100)セミナー、4日間セミナー($850)、テスト用模擬セミナー($150)、100問筆記テスト($150)、難関Teaching 実技テスト($375)がレベル別に次々と待ち受けています。
LPGA Teaching部門は学校のようにクレジット制になっており、レベル別ポイント数が決まっています。テストは1年に最低1回は受ける義務がありますが、合格するまで期限なしに何回でも受けられます。勉強もさることながら、テストやセミナーの場所はフロリダにのデイトナビーチかアリゾナのスコッツデールなので、飛行機、ホテル、年間メンバーフィー$450など費用もかなり嵩(かさ)みます。
メンバーカードは毎年更新され、義務を怠るとカードは失効します。LPGAメンバーでいる限り、勉強はず〜っと続きます。しかも英語です。頑張れ、ヨッシー!!
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