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ishinabe_face.gif     石鍋 賢子

米国カリフォルニア州弁護士

上智大学外国語学部英語学科出身。ビジネス系の移民法専門弁護士として10 年の経験を持つ。グレイ・ケリー・ウェア&フリーデンリッチ、ララビー&アソシエーツ等法律事務所勤務を経て、5 年前に独立し、事務所設立。

米国弁護士会(ABA)、サンディエゴ弁護士会(SDCBA), 米国移民法弁護士会(AILA) 会員。サンディエゴ在住19 年。

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移民ビザ発給停止事件
       

移民ビザのカテゴリーには、大別して米国市民の最近親者、米国市民や米国永住者の優先家族、雇用、抽選の4種類があります。そして、それぞれのカテゴリーによって、年間の移民ビザ発給数の割り当てが決められています。

その年に割り当てられる移民ビザの数を算出し、待ち時間を調整して、毎月の定員数が国務省によって発表されますが、待ち時間(cut-off date=移民ビザ発給受付日)の推移に関しては、さまざまな要素が複雑に絡み合っているために予測できないのが現状です。

雇用による移民申請は第2または第3の優先順位になりますが、数年来の米国の好景気とそれに伴う移民ビザ申請数が増大し、2005年10月頃から移民ビザ不足の状況が生じました。

先月の当コラムでもご説明しましたが、近年のIT業界の不振などにより、企業のスポンサーによる永住権手続の申込者が予測をはるかに下回ったようで、本年 度分の移民ビザに余裕があると国務省が判断して、この数か月の間に待ち時間が大幅短縮され、一部の未熟練労働者を除く全てのカテゴリー、及び全ての国の出 生者において、4月から6月の2か月で約3年ほど待ち時間が短縮されましたす。

折りしも、2007年5月30日付けの改正規則により、2007年7月30日から移民局における各種請願・申請料の値上げ(資格変更手数料は395ドルから1,010ドルへ大幅にアップ)が決定していましたので、申し込みに拍車がかかったのは言うまでもありません。

そして2007年7月2日、国務省は7月ビザ官報掲載内容を訂正しました。それによれば、6月下旬に移民局から移民ビザの大量の申し込みがあり、 2007会計年度(今年9月30日まで)に発給可能な雇用移民ビザの上限発給数に達したため、全てのカテゴリーにおいて、移民ビザは発行できない旨を通達 しました。これを受けて移民局は、7月2日以降、2007会計年度分雇用移民ビザ取得のための在留資格調整申請を受理しない方針を明らかにしました。

極めて異例なこの通達が大問題になったことは言うまでもありません。国務省の移民局へのいやがらせという噂も浮上し、連邦議会議員がこれを批判、さらに非営利団体が移民局と国務省を相手にクラスアクション=集団訴訟=を提起するなどの構えも見せていました。

そのため、移民局は7月17日、7月2日以降中止していた雇用移民ビザ(2007会計年度分)のための在留資格調整申請(I-485申請)受理を7 月17日より再開する方針を明らかにしました。また、申請料については、7月30日から実施される新料金ではなく、現行料金で資格変更を受け付けると発表 しました。

8月以降の在留資格調整申請については、年度内は移民ビザの発行が不可能のようです。尚、10月以降、一部のカテゴリーについてはまた申し込みが可 能になると予想されますが、7月の大量の移民ビザの申し込みが、今後の移民ビザ発行状況にどれほど影響するのか目が離せない状況です。

 
この記事は、参考として一般的な概要をお伝えすることを目的としたものであり、個々のケースに対する法律のアドバイスではありません。

(2007年8月16日号掲載)      

 

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