増えた胃腸薬のCM
最近、アメリカのテレビコマーシャルで特に多く感じるのが胃腸薬と睡眠薬の宣伝です。ロサンゼルス・オ
リンピックの頃には、こんなに胃腸薬や不眠症のコマーシャルはなかったような気がします。当時、日本のテレビで多かったのが胃腸薬のコマーシャルでした。
ですから、こちらに来た当初は、アメリカ人は食べる量も多いし、胃が頑丈で胃腸病がないのだ—— と思っていました。
胃腸病の原因は働き過ぎ
日本人は世界に知れた『働き過ぎ人種』です。だから、昔から胃腸病が多かった…。最近、アメリカに胃腸
病が増えているのは、アメリカ人も働き過ぎ人種の仲間入りをしたからと言えるでしょう。アメリカ人に心臓病が多いのもそれを裏付けています。働き過ぎの人
の体は、運動量も多く無理をしていて、食事は不規則で、栄養も片より、職場や家庭でのストレスも多いものです。当人も自覚している周囲からのストレス以上
に、体は様々なストレスを受けています。
実際に胃腸病を起しているのはこのストレスだと言えるでしょう。これは私の臨床経験からも「正解」だと言えます。最近、胃腸の悪い患者さんが増え、しかも皆さん、相当のストレスを抱え込んでいらっしゃいます。
胸焼けは胃酸過多ではない
テレビのコマーシャルの影響だと思うのですが、ゲップや胸焼けは胃酸過多のせいだと思っている方が多
い。でも、これは誤りです。ウソだと思うなら、お医者さんに聞いてみて下さい。胃のもたれは胃酸が少ないから起こります。ゲップや胸焼けは、胃の中で発酵
している消化中の物やガスが、閉まっているはずの食道と胃の境目にあるバルブが開いて、上に出てきてしまうから起こります。
消化活動を正常に営ませるのは副交感神経の働きです。ところが、ストレスがあると、私たちはまず食欲を失います。交感神経が優位になって、副交感神経の働きを止めるからです。食道と胃の境目のバルブも緩んでしまいます。
胃病にはお灸が一番
胃腸が悪くなる最初の症状は、胃のもたれ、ゲップや胸焼け、それに便秘や下痢ですが、この程度の段階で
したらお灸が一番効きます。特に、まだお医者さんに診てもらわず、薬で体調を崩していない人には鍼灸がとても効きます。胃の調子が悪い方は、みぞおち(胸
の真ん中、胸郭の下の凹んだところ)のちょうど中央辺りにある「巨闕(こけつ)」というツボに市販の簡易灸(千年灸、釜屋ミニなど)を毎日20壮据えてみ
て下さい。胸焼けや消化物の逆流など、すぐに治ってしまいます。
市販の胃薬はお勧めできません。普通の胃薬は、胃酸を中和させてその時だけスーっとさせますが、胃のも
たれは胃酸が少なくて起きているのに、その少ない胃酸を中和するなど理屈に合っていません。かえって胃が重く痛むようになります。それに、原因が取れてい
ないと胃はもっともっと胃酸を作り始めるので、胸焼けなどはむしろ悪化します。
常習便秘と常習下痢
常習便秘は腸が怠け者になっているので、「のの字マッサージ」をします。おへそから揉み始めて真っすぐ恥骨まで下り、右の方へ『の』の字を書くようにマッサージしていきます。最後は恥骨の真ん中に帰ってきますが、朝起きたらベッドの中で5回行いましょう。
常習下痢にはお灸が一番ですが、ちょっと独りではできません。家族の方に手伝ってもらって下さい。場所
は「裏内庭(うらないてい)」というツボで、足の第2指を折り曲げ、第2指の膨らみが触る足の裏の部分に印を付けて、やはり市販の簡易灸を熱く感じるよう
になるまで続けます。ストレス解消も忘れずに! 消化排便活動は体をリラックスさせると正常に働くのです。
次回は不眠症についてお話しします。 |