 |
| |
 |
|
|
曽 碧光
米国中医薬研究所所長
1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、
元米国コネチカット大学病理学助教授、第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン)
筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。
ご質問、ご連絡はこちらまで
|
| |
|
|
|
 |
| |
| 化学療法の副作用を軽減する漢方薬 |
| |
|
|
|
Q :
がんの化学療法で、来週から抗がん剤のシスプラティン(Cisplatin)
を使うことになっています。シスプラティンにはどういう副作用があるのでしょう。また、シスプラティンの副作用を軽減する漢方薬はあるのでしょうか。シス
プラティンと漢方薬を併用した研究はあるのでしょうか。
A :
シスプラティンはがんの化学療法でよく使われている抗がん剤ですが、腎臓、胃腸と骨髄に対して強い副作用があります(Cancer Treat,
Rep. 6, 9-10,
1979)。シスプラティンは造血機能を持っている骨髄に障害を与えるので、腎臓障害と胃腸障害のほかに貧血症状が起こります。その他の副作用として、全
身の疲労感、食欲の減退、脱毛、口乾などの症状があります。
シスプラティンと漢方薬併用の研究では、シスプラティンを小柴胡湯・五苓散と一緒に使用すると、腎臓障
害の指標である血中のクレアチニンとBUNの数値の増加が、小柴胡湯と五苓散によって抑制されることが分かりました。また、シスプラティンと小柴胡湯・五
苓散の併用はシスプラティン単独使用の時よりも、がん生殖阻害率が32%も高いことが示されました。小柴胡湯・五苓散の服用量を1kg当たり1gにしてシスプラティンと併用すると、シスプラティン単独使用の時よりも、患者の生存率が77%延びたと報じられています(J.Med.Pharm. Soc.
WAKANYAKU 8, 89-95,1991)。
南カリフォルニアの病院でも、がん患者にシスプラティンと漢方薬の併用を使用した結果、大変良い結果が
得られました。腎臓障害防止に小柴胡湯と五苓散を使用し、貧血予防に霊芝人参黄耆湯を使用した患者たちは、漢方薬を使用しない患者に比べて、クレアチニン
とBUNの数値が正常値にほぼ近く、貧血の指標である赤血球、白血球、血小枚の減少も見られませんでした(East-West Medical
Digest 6, 21-22, 1995)。
漢方薬併用者は全身の疲労感がなく、脱毛者がなかったので女性患者に大変喜ばれました。抗がん剤と漢方薬の併用は日本や中国で広く使用されている抗がん剤の副作用を軽減する方法です。
|
|
|
(2007年7月1日号掲載)
|
|
|
|

|