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浜崎美耶子
シャープ・ヘルスケア国際部スタッフ
シャープ・ヘルスケア国際部日本人コミュニティー・スペシャリスト。
上智大学英文科卒。ニューヨーク州イサカ・カレッジ大学院にて言語病理学で修士修得。その後も メリーランド大学、SDSUでオーディオロジー(聴能学)を勉強。
1990年以来7年間に渡って、日本からの医師、看護婦、その他のヘルスケアワーカーを対象にしたシャープ国際部主催の研修会の通訳、講師を務めた。
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| 甲状腺低下症と妊娠 Hypothyroidism and Pregnancy
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| 母親の甲状腺低下症は胎児の脳の発達に影響を及ぼす
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| 甲状腺低下症とは
甲状腺は「喉仏」のすぐ下にある蝶々の形をした腺です。この腺
が分泌するホルモンは、心臓の鼓動の回数を定めたり、どれくらい早くカロリーを燃焼するか等、体内の物質代謝に関する重要な働きをしています。この甲状腺
の機能が低下していて、ホルモンの分泌が過小の場合には、甲状腺(機能)低下症と呼ばれ、後ほどお話する様な障害が生じてきます。
甲状腺低下症と妊娠に関する実情
出産可能年齢にある女性の約3%が甲状腺低下症であると言われています。
でも、不幸な事に、疲労や体重増加、異常出血等、甲状腺低下症の多くの症状が妊娠の症状に隠されてしまって、気付かないままでいたり、治療もされずにいま
す。最近は、益々、多くの女性が結婚や出産を遅らせている傾向にあり、加齢と共に甲状腺低下症にかかる危険性が高くなるので、これは大きな問題です。
甲状腺低下症の胎児に及ぼす影響
妊娠最初の3か月間は、胎児は母親の甲状腺に頼っています。甲状腺ホルモンは、胎児の脳の正常な発達に欠く事のできない役割を果たしています。で
すから、甲状腺低下症のために、母親が甲状腺ホルモンを十分に分泌できないという事が胎児にどうしようもない影響を与えるのは、想像にも余ります。ニュー
イングランド医学誌に発表されたリサーチによると、妊娠中に甲状腺低下症の治療を受けなかった母親から生まれた子供は、知能指数も低く、精神運動機能の発
展に障害がみられたという事です。
甲状腺のスクリーニングと妊娠
米国内分泌臨床医学協会、内分泌医学会の両学会は、妊娠している全女性の甲状腺のスクリーニングを勧めています。上記のニューイングランド医学誌
によると、妊娠中に甲状腺低下症の治療を受けなかった母親から生まれた子供は、何らかの精神障害を起こす可能性が大きいと言っています。ですから、妊娠初
期に母親の甲状腺を検査して、胎児に与える悪影響を予防する事が極度に重要になってくるのです。
それも、更に理想的に言えば、女性は妊娠をする前に甲状腺の検査を受けるべきだと米国内分泌臨床医学協会は言います。何故なら、妊娠前に甲状腺の
低下が見つかっていれば、妊娠中、ずっと甲状腺ホルモンを補給するする事によって、母体の甲状腺ホルモンのバランスを維持する事ができるからです。
甲状腺機能のスクリーンについて
簡単な血液検査をする事によって、甲状腺機能をスクリーンする事ができます。尚、誰がこのスクリーニングを受けるべきかに関しては、米国内分泌医学協会では、全ての妊婦はスクリーニング検査を受ける事を勧めていますが、特に下記の3項目に従う事を勧めています。
(1)医師と妊婦の間で甲状腺検査を受けるかどうかを決める
(2)妊娠する可能性のある人は、受胎の前に検査を受ける
(3)肉親に甲状腺に関する病気がある、または甲状腺低下症の疑いのある妊婦は全てスクリーニング検査を受ける
妊娠中の甲状腺低下症の治療法
甲状腺低下症の診断が下ったら、甲状腺ホルモンの不足分を補うために薬剤が処方されます。治療は安全で、母体にも胎児にも絶対に欠かす事ができないものです。赤ちゃんが生まれた後は、新生児検査で甲状腺ホルモンのレベルをチェックする事になっています。
甲状腺低下症の症状
軽症の甲状腺低下症の場合には、症状は多くの場合、見逃されてしまう様なものです。症状は大概の場合、非常に微妙で、徐々に進行していきます。また、欝( うつ) 病の症状とよく似ているので注意を要します。下記の症状は、甲状腺低下症によくみられるものですが、症状は個人によっても違いますので、診断は必ず医師に任せましょう。
- 疲労、衰弱感 ・しわがれ声
- 筋肉痛 ・言葉のスピードが遅い
- 顔がはれぼったい ・体重の増加、または体重減量が困難
- 便秘 ・髪毛が粗く、皮膚が乾燥する
- 脈拍が遅い ・頭が混乱する
- 生理の出血量が多い ・寒さに耐えられない
(シャープ・ヘルスケアの健康ホームページから)
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(2007年3月16日号掲載)
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