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鈴木 博美
ドッグトレーナー
2匹のゴールデンレトリバーとの出会いをきっかけに犬の世界に興味を持つ。楽しく、且つ効果のあるトレーニング方法を求めて渡米。ケープ・エイブル・ケーナ
イン(Cape-Able-Canine)
のドッグトレーナー研修プログラムを終了後、同センターで犬のデイケア(幼稚園)&ホテル(宿泊)を担当。現在、ケーナイン・トゥ・ファイブ
(Canineto Five) を立ち上げ、日本語によるドッグトレーニングクラスも開講している。幼稚園教諭の経験もある。
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子供と犬の関係について
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数ある名作映画の中でも、犬と子ども(たち)の交流を描いた映画は本当に心温まるストーリーが多いですね。実際、トレーニングクラスの中で、多くのヤングスターたちが自分の犬を一生懸命トレーニングする様子はほほえましい限りです。
子どもと犬は友達になれるか
「Men's best
friends」のサインはよく見かける名フレーズの一つですよね。ビーチで、パークで、人が楽しそうに犬と夢中で遊んでいる姿は、まさにこの言葉通りだ
と感じます。ところで、子どもと犬もまた最高の親友同士であるように思われますが、そうではありません。私たちは何を見てそのような幻想を思い描いている
のでしょうか。実は、ディズニー映画『名犬ラッシー』、『ベンジー』などの「ドラマ化された世界」を日々の生活に重ねていることが多いのです。結論から申
しますと、子どもと犬は友達にはなれません。なぜなら、私たちもまた犬と友達にはなれないからです。彼らが求めているのはリーダーであり、安心できる仲間
のいる群れなのです。
子どもと犬の安全
子どもと犬が同じ部屋・場所にいる時は絶対に大人の監督が必要です。どんなにおとなしくよく飼い馴らされているいる犬といえども、犬は犬であることを忘れないで下さい。少し事例を挙げて説明してみましょう。
<例1>
犬のおもちゃが床に置いてありました。犬はおもちゃに興味も持たず、ただ座って部屋の様子を見ているだけでした。子どもが犬と遊ぼうと思い、犬のおもちゃに手を伸ばした途端、犬はものすごい勢いで走ってきて子どもを突き飛ばし、おもちゃを持って元の場所に戻りました。
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解説:犬は子どもが嫌いなのではなく、自分のものであるおもちゃに触られることが嫌であったと思われます。一つに、犬のおもちゃなどは犬が飽きる前に拾い
上げ、おもちゃ箱などに戻しておきます。時々は、子どもたちからもおもちゃを犬に与えるようにすることで、犬がおもちゃを守る気持ちを緩めていくことがで
きるでしょう。
<例2>
新しく迎えた子犬と5歳になる娘がいる家庭では毎日が大忙しです。母親はリビングルームで娘と子犬を遊ばせながら、台所に3分ほど入っていました。突然娘が泣き出し、見ると頬のあたりから血が出ています。娘の話では「よしよししたら噛んだ」とのことです。
- 解説:例え10秒でも目を離すのであれば、子犬はクレートに戻すべきです。ましてや幼児と一緒に残していくのはもってのほかです。子どもの頬から血が出た原因としては、
① よしよししている時に、子どもが耳やしっぽ、足などを強く引っ張ってしまい、犬がびっくりして噛んだ。
② 正面で犬の顔と同じ位置から見つめたときに、犬が飛びついた。
③ 子どもの突然の動きに興奮して遊ぼうとしたら歯が当たった — などの理由は考えると限りなく出てきます。
私たちは子どもの安全を確保する責任があります。また同時に、犬の安全を確保するものであると思って下さい。子ども嫌いの犬が多いのは本当です。でも、これは嫌いという思いよりも「怖いからできるだけ距離を空けておこう」という気持ちの方が大きいのです。そうなると、子どもが近づくだけで唸ったり、空噛み
をしたりするようになります。子どもは犬を怖がるようになり、家族の中で不調和が生まれてしまいます。この環境を作ってしまったのは人間側であり、犬では
ないということを覚えておいて下さい。でも、そうならないためにも、先ずは両親が子どもたちにきちんと話をし、ルールが守れるよう監督します。子どもと犬
をベビーゲートなどで離す必要もあるかもしれません。時には厳しさも必要です。守るべきルールを守ってこそ、自由を手にすることができるものです。
子どもたちもトレーニングしよう
犬のトレーニングクラスに参加する時には、ぜひ子どもたちも参加しましょう。犬と友達にはなれないと申しました。でも、強い絆を深めるこ
とは可能です。一般家庭犬トレーニングはもちろん、アジリティーなどのスポーツは最高に楽しいでしょうし、子どもたちの方が習得が早いかもしれませんね。
私たちのトレーニングクラスでは15歳を基準に子どものみで犬をハンドリングすることを認めています。14歳以下の子どもたちの場合は大人が見本を示し、
子どもたちに教えながらトレーニングしています。
犬が犬であるからこそ、素晴らしい生活が送れるものと確信しています。その楽しさを、そして心のぬくもりを、是非子どもたちにも味わってほしいのです。 |
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(2007年3月1日号掲載)
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