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曽 碧光
米国中医薬研究所所長
1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、
元米国コネチカット大学病理学助教授、第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン)
筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。
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| 脳卒中と釣藤散 |
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Q : 半月前に軽い脳卒中(Stroke)を起こし、物忘れがひどくなり、人の名前も思い出せないことが多くなりました。病院でいろいろ検査した結果、脳血管が破れて軽く出血したことによる、ごく軽い脳卒中と診断されました。しかし、記憶障害を早く治す薬がないのか、何も薬を処方してくれませんでした。日本では、脳卒中患者によく漢方薬の釣藤散を服用させていると聞きましたが、私も釣藤散を服用したいと思っています。脳血管障害、特に脳卒中や痴呆症に関する釣藤散の研究報告がありましたらお教え下さい。
A : 釣藤散は脳動脈硬化症、高血圧症、神経症、メニエル病などによる頭痛に広く使われている漢方薬です。
釣藤散がアルツハイマー型痴呆症に有効だったという研究報告(Pharma Medica 6 Suppl. 80-86, 1988)は脳血管性痴呆症の研究のきっかけになりました。
139人の脳血管性痴呆症患者を対象にした二重盲検ランダム化比較臨床試験で、釣藤散を服用した患者は、服用しない患者に比べてはるかに大きな改善が見られたと報告されています(J. Trad. Med. 15, 1421, 1998)。脳卒中易発生症自然発症高血圧ラットを用いた基礎研究で、釣藤散は血圧上昇抑制作用、血管内被保護作用、および廷命効果があることが明らかになりました(Am. J. Chinese. Med. 31, 79-85, 2003)。また、ネズミを用いた実験で、釣藤散は一過性脳虚血による遅発性細胞死を抑制し、脳細胞の遊離基消去活性と抗酸化酵素活性を高めました(J. Trad. Med. 23, 117-131, 2006)。
以上述べたように、釣藤散は微小循環改善効果、血管内皮保護作用および脳細胞の遊離基消去活性と抗酸化酵素活性を高めるなどの多方面の薬理作用があることが分かり、脳血管障害の発症と予防によく使用されるようになりました。
従って、釣藤散と脳出血した血管附近の血液残渣物を早く取り除く効果のある黄連解毒湯を一緒に服用すると、記憶障害が早く治ります。
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(2008年2月1日号掲載)
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