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自律神経と鍼灸最近、日本の免疫学で現代医学が難病とみなす多くの病気が自律神経のアンバランスから来る白血球のワルサに原因するという説が登場し、旋風を起こしています。自律神経のアンバランスさえ治ればガンを含む難病も治るというのです。
自律神経とは交感神経系と副交感神経系から成り立っていて、交感神経のセンターは脳ではなく脊髄の第一頚椎から第二腰椎までの側角と言われる部分にありま
す。副交感神経は脳幹と仙髄神経の側角にあります。脊髄には鍼灸では督脈が流れると考え、脊髄の両側には華佗(かだ)夾背穴という奇穴があります。私の経
験ではこれらの経絡経穴の刺激が自律神経の調和に非常に有効です。
甘えん坊はアトピーになりやすい
交感神経がもたらすワルサについては前回触れましたので、今回は副交感神経のもたらすワルサについて紹介します。
副交感神経系は私たちがリラックスしている時に優位に働くので体に良いことのように思えるのですが、それでも交感神経系とのバランスを崩すまでに優勢にな
るとワルサをし始めます。その好例が甘えん坊のアトピーです。甘えん坊は自分の思うままの生活をしていますから、体はリラックス状態が続いています。する
と、体の中では副交感神経系が支配する白血球のリンパ球が増え、関節付近の柔らかい組織周辺で破壊行為を始めるのです。アトピーに悩む子供に甘えっ子が多
い理由です。
甘えっ子のアトピーは甘えの構造を変えることで治す以外にありません。先ず、生活にリズムをつけ、規則正しく時間によって行動内容が変化する生活をするこ
と。外で太陽の下に他の子供たちと遊び、元気な子供になること。家庭でできることは乾布摩擦です。朝、顔を洗う時に、乾いた布でゴシゴシ体を擦ります。
申し分ない生活と喘息、関節炎
アトピーで皮膚がやられている人は、アトピーが消えると喘息(ぜんそく)になることがあります。リンパ球が襲うのは関節部分の皮膚だけではなく、関節周辺
組織や気管支にも及んで、それぞれ関節リューマチ( アースライテイス)
とか喘息とかの原因になります。こうして、リンパ球が原因でリュマチや喘息が始まる人は、決まって「申し分ない生活」をされている満たされた方々です。月
々の支払いに追われたり、一生懸命生活している方、ストレスに打ちひしがれている方ではないものです。「申し分ない生活」が続いた副交感神経系過剰優位生
活がリンパ球を狂わせ、自己免疫不全を招きます。こうしたケースでは、先ずメリハリのある生活、リズムのある、少しくらいはストレスもある生活が必要なの
です。「ニヤニヤ笑ってばかりいないで、少しは体を動かして!」下さい。
陰陽のバランス
こうして自律神経の交感神経系が過剰に働いても、副交感神経系が過剰に働く生活でも、私たちは病気になってしまいます。
かつて、皮膚ガンを患ったある患者さんが関節炎の治療で見えました。私が「ガンが発生した時分はストレス過剰の生活だったでしょう」と聞くと「その通り」
と答えます。「でも、今は申し分のない生活ではありませんか?」と訊ねるとニッコリして「その通り」と言うのです。「少しは生活にストレスが必要ですね」
との私の言葉にビックリして、「でも、ストレスはガンの元でしょう!」と反応します。要は程度問題なのです。
天秤(てんびん)を思い出して下さい。一方に交感神経、他方に副交感神経を入れてみましょう。バランスを取るということは、やじろべえのように少し揺れても支える棒が倒れずに立っている状態を保つことです。天秤が役に立たないほど、一方が重すぎるのではありませんか? そんな時に鍼灸治療が必要です。
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