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suzuki     鈴木 博美

ドッグトレーナー

2匹のゴールデンレトリバーとの出会いをきっかけに犬の世界に興味を持つ。楽しく、且つ効果のあるトレーニング方法を求めて渡米。ケープ・エイブル・ケーナ イン(Cape-Able-Canine) のドッグトレーナー研修プログラムを終了後、同センターで犬のデイケア(幼稚園)&ホテル(宿泊)を担当。現在、ケーナイン・トゥ・ファイブ (Canineto Five) を立ち上げ、日本語によるドッグトレーニングクラスも開講している。幼稚園教諭の経験もある。

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犬の問題行動
       
掘る、噛む、飛びつく、引っ張る、室内でも排泄するーなどなど、仕事がら、犬に関する多くの問題行動を耳にします。ところが、これらを問題だと思っている のは私たち人間だけなのです。犬は犬として当たり前の行動を取っているにすぎないのです。しかし、犬が人間社会で生活していく以上、そのような言い訳は通 用しませんし、危険でもあります。ですから、私たちは愛犬たちにに何をすべきで、何をすべきでないかということを教えてあげなければならないのです。


問題行動の原因

問題行動を改善するには、その原因を知ることが必要です。最も一般的な原因は次の通りです。
  1. 健康問題
  2. 退屈・運動不足
  3. 不注意な報酬
  4. 社会化不足
  5. リーダーシップの欠如
室内での排泄が突然始まったのなら、膀胱関係の病気なのかもしれません。家中の家具を噛んだり無駄に吠( ほ) えているのは、運動不足で退屈しているのかもしれません。飛びつく犬を両手を使って地面に押し戻したりすると、マッサージをしてくれていると犬が勘違いす る場合もあります。また、他の犬や人を見て異常に吠えるのは、社会化が上手くできないために、知らない相手への警戒や恐怖が強いからかもしれません。飼い 主は犬の本能を理解し、犬のリーダーとなる必要があります。リーダーシップを見直してみましょう。犬があなたをリーダーだと思っているならば、あなたの声 に耳を傾けるはずです。

今一度、犬との生活を振り返ってみて下さい。そして、どのような問題行動が存在するのかを確認してみて下さい。問題行動への対応は千差万別です。例えば、 同じ「吠える」という問題行動に取り組む場合でも、家庭環境、家族構成、犬の成長過程や背景、幼児期の過ごし方などによって違う対応が求められます。

また、犬は「時々」という概念を持っていませんし、理解できません。ジーンズとT シャツの時には飛びつくことを許し、スーツの時には厳しく怒るー̶̶。犬はなぜそんなに怒っているのか全く分からず、飼い主の怒りとスーツ姿を結び付けて しまうこともあります。飛びつくことを止めたいのならば、時、場所、相手を構わずに徹底して修正しましょう。「私は飛びつかれても平気だからいいのよ」と いう人には、はっきりとトレーニング中であることを伝え、協力を求めましょう。犬からすれば、若い人も、お年よりも、子供も皆同じです。


対処法 

問題行動への対応を考えた時、力ずくで、もしくは身体的接触( 押さえつける、ける、マズル=鼻口部をつかむ、飼い主の手で痛みを与えるなど) を用いて解決しようと試みた時、こちらが噛まれるか、信頼関係を無くすか、事態がより悪化することが予想されます。犬というのはとても繊細な生き物です。 だからこそ、こちらの愛情を敏感に受け取り、私たちにまた愛情をくれるのです。問題行動が起こった時こそ、犬の正しい行動にご褒美を与え、その行動を増や していくのです。そして、正しくない行動に対してはっきりと自信を持って「ノー」「いけない」と伝えなければなりません。実は、この伝えるタイミングが全 ての解決の鍵となっているのです。

朝、出がけに大切な靴をボロボロにされ、帰宅後に犬を叱ることはできません。犬は現在を生きているのです。何時間も経ってから「どうしてこういうことをす るの?」なんて怒鳴っても、犬たちは「何だか分からないけれど、すっごく怒ってる… 怖いなぁ」と体を小さくし、上目遣いであなたを見ています。そして、あなたのいないところでますますイタズラをするようになってしまいます。モノを噛んだ り壊したりした場合、大切なことはそれ以上経験させないことです。クタクタに疲れるほどの運動を与え、お留守番を楽しく過ごせるおもちゃを用意し、犬の届 く所に興味をそそる物を置かないようにしましょう。

ほとんどの犬の問題行動は、飼い主の努力次第で解決できるものです。諦めず、根気よく取り組みさえすれば改善されるはずです。

(2006年10月1日号掲載)      
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