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今回はドッグトレーナーの立場から、犬の去勢と避妊の必要性についてお話したいと思います。
手術のメリット
犬をペットとして、そして、家族の一員として迎え入れて、幸せな毎日を送ってほしいと願うのならば、あなたの愛犬に去勢・避妊手術を行うことをお薦めします。去勢や避妊手術は病気の予防にもなります。手術のメリットを次にまとめてみました。
◎オスの場合
- 前立腺肥大、精巣腫瘍、会陰ヘルニア、肛門周囲腫瘍などの病気になりにくい。
- 発情期の匂いを求めて、脱走、遠吠え、異常な興奮を取り除くことができる。
- ホルモン分泌がなくなるため、支配力の強い犬の挑戦的な態度を軽減できる。
- 脚を挙げずにおしっこをする可能性を高くできる。
◎メスの場合
- 子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、子宮内膜炎などの病気になりにくい。
- 発情期におけるストレスを取り除くことができる。本来、交配相手の決定権はメス側にあるのです。ですから、メスは望まない出産を避けるために、神経を高ぶらせ日々過ごすこととなります。
- 望まない子犬を作らないですむ。
望まない繁殖と子犬の性格
生後8週目までの子犬は母犬の愛情をたっぷりもらい、兄弟姉妹と遊び、偉大なる父犬の存在を知りながら成長していきます。ボディランゲージやかみつき遊びを通して、犬として正しい距離感を学びます。しかし、生後8週目までに親犬や兄弟姉妹から引き離されてしまった子犬は、物理的にも心理的にもほどよい距離感覚を保つことができなくなり、極度に攻撃的になったり、全く接触を好まなくなったりします。
望まない子犬が生まれると、多くのオーナーは急いで貰(もら)い手を探して引き渡してしまいます。しかし、「犬と上手に遊べない犬」の9割以上が、幼くして親犬や兄弟犬から引き離された環境で育っています。2年以上かけて遊び体験を培おうと努力しても、限界がある現実を突きつけられ、くやしい思いをしています。
ブリーダーの役目
誠実なブリーダーは、交配する親犬が心身共に健康であることを必須条件に考えます。そして日頃から、犬への愛情と気配りを怠りません。血液検査、心臓検査、骨格検査、遺伝性疾患の有無など、切りがないほど検査をして、その犬が交配に適しているかどうかを判断します。勿論、心理的な側面も見逃しません。例えば、家庭犬を扱うブリーダーの場合、穏やかで、人間が好きで、ペットに適している犬を探してきます。一般家庭で育っていく子犬の成長を考えて、ブリーディングしているブリーダーだけが犬の出産を行うべきだと思います。
自然の摂理と反対派
「犬は犬らしくいてほしい。だから、去勢する必要はない」と考える男性陣が多いのですが、食するために狩りをし、狩りをするために出かけ、縄張りを定め、他の群れとの接触を最小限に抑える…、祖先が狼である野性味あふれる犬たちの群れのリーダーとしての役目を担うことは一筋縄にはいきませんし、それらの犬はペットとして人間社会でうまく暮らしていくことはできません。私たちが求める犬の姿とは、他の犬とも仲良く遊び、人間に対しても穏やかに対応でき、心和ませてくれる存在ではないでしょうか。
マウンティング行動
去勢・避妊手術を施すと、オス・メスともにマウンティング行動がなくなると言われますが、手術を済ませているのにマウンティングをする場合は、相手に優位性を示したい自己顕示欲の現れと考えられます。特に、オーナーや子どもたちを対象に行うマウンティング行動は支配意欲の現れですので、リーダーシップを見直すトレーニングが必要となります。
手術の時期
ほとんどの犬が6か月前後から初めてのホルモンの分泌が始まると言われています。ですから、子犬を迎えたならば、遅くとも6か月までには去勢・避妊を済ませることお薦めします。いつ去勢・避妊手術を施すかは獣医によって意見が分かれています。信頼できる獣医と相談して、飼い主であるあなたが最終判断を下しましょう。
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