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dr_kim_new.png     金 一東

日本クリニック・サンディエゴ院長

日本クリニック医師。
神戸出身。岡山大学医学部卒業。同大学院を経て、横須賀米海軍病院、宇治徳洲会等を通じ日米プライマリケアを経験。その後渡米し、コロンビア大学公衆衛生大学院を経て、エール大学関連病院で、内科・小児科合併研修を終了。スクリップス・クリニックに勤務の後、現職に。内科・小児科両専門医。


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母乳と離乳食(Breast milk & complementary foods)
その2:離乳食(Complementary foods)

       
母乳に関しては前回説明しましたので、今回は離乳食(Complementary foods)と離乳(Complementary feedingまたはweaning)について説明をします。

前回述べたように、WHO (世界保健機構)は母乳栄養の重要性を説き、乳児が生後6か月になるまで、母乳だけの栄養を推奨しています。母乳が出ないとか、医学的な理由がない限り、アメリカ小児学会も日本の厚労省も基本的には賛成しています。


離乳食開始の時期

母乳栄養の期間は、最近WHOなどの機関によって生後6か月までと推奨されているので、離乳食の開始は生後6か月以降ということになります。但し、乳児に よっては、生後4〜6か月の間でも離乳食を開始できることがあるので、アメリカ小児科学会では、一応生後6か月までの母乳のみの栄養を推奨していますが、 生後4〜6か月の間でも離乳食は開始してもかまわないというスタンスを取っています。もちろん、母乳の授乳量が少ない場合や、医学的な理由がある場合は生 後6か月まで待つ必要はありません。


離乳食

離乳食というと、アメリカでは乳児用シリアル(ライスシリアル)を始めることが多いのですが、日本では野菜類やおかゆが多いようです。

フルーツジュースは、生後6日月以降の乳児では1日当たり120〜180cc以内にしておきます。あまり多く取ると下痢が起こるからです。暑い日やお風呂 上りに、日本では白湯(さゆ)やお茶を乳幼児にあげることがありますが、これは必要ありません。また、人工調製乳でない普通の牛乳は、生後1年を過ぎて与 えます。
離乳食を始めたからといって母乳を止める必要はありません。離乳食は母乳の代わりに与えるものではなくて、母乳で足りなくなる栄養素を補完するための栄養 だと考えた方がいいでしょう。一応、2才までは母乳の継続が推奨されていますが、2才を超えて母乳を与えても構いません。

離乳食開始後しばらくして、鉄分の不足による貧血が起きてないか、貧血検査が必要になってきます。生後9〜12か月に貧血検査を行います。


離乳食の与え方

離乳中に新しく与える食品は1回に1品目とします。通常1週間、その食品を与えてアレルギー反応(下痢や皮疹)が起こらないかどうかをチェックするわけで すが、私は、日本人の乳幼児に対しては3〜5日間程度でもいいのではないかと思っています。それは、日本人の親が乳幼児に与える食品の種類が多い傾向にあ るからです。アレルギー反応を起こさなかった食品は、それぞれ組み合わせてあげることができます。

1才未満の乳幼児では、固形食品はすり潰したりマッシュしたりして、誤って飲み込んで気管支に入らないようにします。4才以下の乳幼児には、ホットドッ グ、ナッツ類、ブドウ、レーズン、ポップコーン、キャンディーなどの食べ物は避けて下さい。離乳食は砂糖や食塩を加えないで準備して下さい。離乳食は体温 くらいの温度に保ち、熱くするのは避けます。電子レンジを利用する時は、調理の後によくかき混ぜ、熱い部分でやけどするのを避けます。


離乳食の回数と必要カロリー量

生後6〜8か月の乳幼児では、離乳食の回数は1日で2〜3回、生後9か月以降は3〜4回です。欲しがれば、栄養豊富なおやつを1日1〜2回あげても構いま せん。8か月以降の乳幼児は一人で赤ちゃん用のお菓子を食べることができるようになります。大人と同じ食事ができるようになるのは、生後12か月過ぎてか らです。

母乳栄養を継続している乳幼児で、離乳食から必要な1日の平均カロリー量は、生後6〜8か月の乳幼児では130キロカロリー、9〜11か月では310キロカロリー、12〜24か月の乳幼児では580キロカロリーとなっています。

ビタミンAの含まれた果物や野菜、それに肉、鶏肉、魚を食べることができるようであれば与えます。鉄分の添加された小麦粉や、ビタミンAの含まれた砂糖な どを使用。肉類が食べられなかったり、与えている食品にビタミンや鉄分が添加されていない場合はビタミン・ミネラルのサプリメントを与えます。栄養価の低 い水、お茶、ソーダ類は避けます。


離乳食を与える上でのアドバイス

  • もし、赤ちゃんの嫌がる食品の数が多いようであれば、食品の組み合わせを変えたり、調理の仕方や味、形、硬さなどを変えてみます。
  • 離乳食を与える時は、赤ちゃんの目を見て、しゃべりかけながら、ゆっくり根気よく、励ましながら与えます。
  • 離乳食を与える時は、学習と愛情の時間でもあるのです。
  • 気を紛らわせるものは極力取り除いて、安心して食べられる環境を作ります。
  • 離乳食は強制してはいけません。
  • 病気の時は、母乳の授乳量を増やすことによって水分量を増やし、好みの食べ物を与えます。病気の直後も、母乳も離乳食も普段より多めに与えます。
  • 離乳食を与える時は、親も赤ちゃんも手を清潔にします。
  • 食べ物は調理後すぐに与えます。
  • 洗浄されたコップ、お茶碗、スプーンなどを利用し、哺乳瓶で離乳食を与えてはいけません。
 
この記事に関するご質問は日本クリニック(858) 560-8910まで。過去の「アメリカ健康ノート」の記事は、私のウェブサイトwww.usjapanmed.com またはwww.dockim.com で読むことができます。
 
(2007年1月1日号掲載)      



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