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Q : 65歳の男性でタイプ2の糖尿病患者です。
日本では1998年から腎臓透析治療が必要な糖尿病性腎症患者が年々増えています。
糖尿病性腎症の漢方予防薬がありましたら、お教え下さい。
A : 糖尿病が長く続くと、腎臓の濾過(ろか)装置である糸球体に異常な物質が沈着してたんぱく尿を生じ、ときにはネフローゼとなり、腎不全に進行することがあります。
このような病態を糖尿病性腎症といいます。
八味丸は別名腎気丸と呼ばれ、腎臓機能を促進増強する効果があるので、古くから腎臓疾患の薬として使われてきました。
従って、日本では八味丸が糖尿病性腎症の最も適した予防薬として研究が進められています。
タイプ1とタイプ2の糖尿病ラットを使った動物実験で、八味丸を服用させると、糖尿病性腎症に発展する過程である糖たんぱくの形成、炭水化物代謝の異常、脂肪の過酸化作用、並びに腎臓の糸球体の毛細管が硬化する病変である糸球体硬化症の発症を抑制できたと報告されています(J. Trad. Med. 26, 221-229, 2009)。
また、腎臓の障害によって起こるたんぱく質分解産物である尿素、クレアチニン、尿酸などの物質が血液中に溜ってくる症状と、たんぱく尿の排泄を八味丸の服用によって大きく減少せしめたと報じています。
アメリカの日系社会では、糖尿病治療と糖尿病性腎症予防を兼ねた血糖降下作用のある減肥湯と糖尿病性腎症予防の八味丸の併用が良い結果を得ています。
八味丸はインスリン抵抗性改善効果があるので、八味丸の併用は腎症予防と同時にインスリンの利用度を高めて血糖を下げる働きを強め、タイプ2糖尿病患者の血糖コントロールにも大いに寄与します。
また、八味丸は腎臓機能、生殖機能やホルモン分泌など老化に伴い衰退する機能を促進増強効果があるので、老化防止の漢方薬としてもよく使われています。
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